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住宅の賃貸にも影響がある「インボイス制度」は賃料下落への転換点となるか?
現在でも事業者には課税事業者と免税事業者があり、その線引きが売り上げ1,000万円で分けられていることは常識です。
ただし、その免税事業者の割合は、国の推計によれば、日本国内の約823万社のうちの約513万社と免税事業者の方が多く、全体の6割を占めていることはあまり知られていません。
このインボイス制度の本当の怖い点は、いろいろ話題にのぼる事で、一般の消費者が以下のことに気付く点です。
この“もらっていた”ことは法律上なんら問題がありません。
しかしその事実を知ることで免税事業者を「益税」とか「横取り」とか非難をするまでしなくても、今まで請求されたから何となく払っていたものが、今後免税事業者から請求されることに何とも言えない気持ちが芽生えると思います。
その結果、不動産において課税取引あたる店舗や事務所の場合は、大家さんが課税事業者かどうかを調べて、非課税事業者ならなぜ消費税を取るのかを説明させ、家賃の下落交渉をする可能性が高いです。
その結果、非課税の住宅の賃貸であっても、その影響は逃れられないと考えます。
なぜなら、共益費や管理費以外で、家賃とは別契約である駐車場やトランクルーム使用料などには消費税がかかることも多いので、やはり大家が課税事業者かどうかチェックされるからです。
ましてや社宅として法人が契約している場合には、その傾向が強くなると思います。
一方、家賃ではないですが、仲介手数料には消費税がかかっているので、今度は仲介会社が課税事業者かどうか気になる人も多くなるのではないでしょうか。
このようにまだ始まったばかりの制度なので急に大きな変化はないものの、制度が浸透していくにつれ、不動産関係にもじわじわと影響が広がっていくように思います。
その影響は賃料を押し上げるものよりも押し下げる働きが強いものと感じます。
よって、今は好調な不動産市場の腰を折る転換点にならないかが懸念されます。(執筆者:田井 能久)
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