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クレジットカード会社は、「毎月一定の支払いにできる」という名目でリボ払いをすすめてきます。
実のところ、リボ払いに利用者の利益はありません。
カード会社にとっての手数料収入が増えるだけの関係です。
「毎月一定の支払い」と聞くと負担が少なそうに思えますが、本当に毎月一定額になっているならば、すでにリボ残高が毎月の利用額を超えて、立派なリボ漬けになってしまっています。
銀行引落しを終えないリボ残高にずっと、おおむね15.0%から18.0%の手数料(=実質はローンの利息)が発生しているわけです。
1回払いにしていれば、まったく支払わなくて済んでいた借金に追われてしまうわけです。
リボ払いが本当に役に立つのは、自覚して使う(借金として)ときだけです。
カードローンで借金をするのに替えて、リボ払いを活用できます。
急にお金が必要になった際、すでに支払済みのクレジットカードを後からリボに替えれば、給料が入ってきたときに現金が浮きます。
これを自覚的に実行するときだけ、リボが真に役立つと言っていいでしょう。
カードローンは金利18.0%が多いですが、リボ払いの金利(手数料率)の中心は15.0%ですので、多少負担が軽くなります。
三井住友Revostyleなど、手数料率9.8%というものもあります。
筆者が最近作った「セゾンゴールドアメックス」も、9.6%でした(標準コース)。
間違いなく怖いリボ払いを、生活のオトクにつなげていく方法です。
マメでない人には決しておすすめしません。
クレジットカード会社も、リボ払いを呼び込むために特典を用意しています。
特に入会時に多く、いろいろ個人情報を入力している最中に問われるので判断が鈍りがちです。
大多数のキャンペーン内容は、「すべての支払いをリボ払いに設定すると◯◯ポイント(または◯◯円キャッシュバック)もらえる」というものです。
入会キャンペーンと合わせてリボも申し込んでしまうか、悩むかもしれません。
入会キャンペーンは、入会後一定期間内に一定の額を使うことで特典が得られます。
ところが同時にリボ払いのキャンペーンに参加すると、「普段よりも多めの買い物の、すべてがリボ払いになる」わけです。
入会時のリボ払いはとりわけ怖いものです。
リボ払いのキャンペーンに参加する場合、次を押さえておきましょう。
・ 特典の額は、手間に見合っているか
・ 一定金額を一定期間内に利用する必要がある場合、無理な買い物を増やさず達成できるか
・ 手数料をゼロにすることが可能か
・ 手数料をゼロにできない場合、できる限り抑えために随時払い、繰り上げ払いなどを活用できるか
・ 手数料の発生が、キャンペーン達成の要件となっているか(このタイプのキャンペーンはほぼないが、念のため確認)
・ キャンペーン終了後、リボ設定は原則としてやめること
このすべてにGoサインが出れば、初心者でもチャレンジして構わないと考えます。
大事なのは「借金の芽を摘む」ことです。
残高がなくなってしまえば、もう利息は発生しません。
特典の額がリボの手間に見合うかどうかは、筆者の場合おおむね次の基準で捉えています。
・ 1,000円 … 手間に見合わないので参加しない
・ 2,000円 … 手数料をゼロにできるなら参加
・ 3,000円 … ほぼ参加
・ 5,000円 … 飛びつく
リボ払いは複雑で、計算の種類も多くあります。
ですがキャンペーンとして参加するなら、カードブランド別の区別を押さえておけば大丈夫です。
・ 初回手数料無料 … カードの初回支払日に残高を残さなければ、手数料が発生しない(三井住友、三菱UFJニコス、ビューカード、ローソンPontaカード等)
・ 上記以外のリボ … カード締め日を過ぎると、手数料が発生する
初回手数料無料のリボ払いの場合、カード利用の総額(利用から銀行引き落としまでの期間内にある利用額すべて)が、利用者自身が設定した月の支払額を超えない限り、手数料は発生しません。
1回払いとまったく同じ状態になります。
利用者自ら決めた「月の支払額」の設定が10万円の場合、月に5万円を限度に使っている限りは、リボ手数料は発生しません。
この事例を除くと、次のとおりあらゆるケースでリボ手数料が発生します。
・ 初回手数料無料でないリボ
・ 初回手数料無料だが、月の支払額を残高が超えてしまった
・ 三井住友Revostyle、JCB CARD Rなど、そもそも「月の支払額」の設定がなく、利用額により支払額が決まる方式
これらのタイプの場合、手数料を最小限に押さえないと、キャンペーン特典があっても損をしてしまいます。
これは次に確認します。
リボ手数料を最小限に抑えるためには、とにかく残高を残さないことです。
考え方はローンとまったく同じです。
初回手数料無料のリボ払いで、月の支払額を超えてしまった際は、「支払日に増額」すればセーフです。
結果的に一括払いと同じになります。これはその月だけの臨時の手続きです。
「毎月の支払額を増額する」つまり設定を変更する手続きと間違えないようにしましょう。
毎月の支払額設定を増額してしまうと、リボ払いキャンペーンの資格を失うことがあります。
JCBカードのリボ払いは初回手数料無料ではないものの、増額により残高を残さなかった場合は手数料が発生しない仕組みです。こんな折衷的なタイプもあります。
いっぽう、大多数の必ず手数料が発生するタイプのリボ払いの場合、次の方法でリボ手数料を最小限に押さえましょう。
・ 締め日を過ぎてから、本来の支払日の前でも残高を随時払い
・ 支払日に、支払額を増額して残高をなくす(リボ手数料は発生する)
支払日と無関係に残高を支払う場合、大別すると次の方法があります。
・ ATM、提携ATMで入金する
・ カード会社に連絡し、相談の上振込みで支払う
提携ATMでの入金は手数料が掛かることもあります。
リボ払いキャンペーンで得る利益の額はそれほど多額ではないので、ATM手数料には気をつけたほうがいいでしょう。
また、振込のためカード会社に連絡する際は、通話料が掛かるのでこれも考慮に入れましょう。
楽天カードのように、チャットで相談できる場合は無料です。
Webだけで手続きできる増額はおすすめですが、この場合リボ手数料がいくらになるかのシミュ−レーションをしてみます。
次の条件です。
・ リボ手数料率15.0%
・ 月の支払額を(キャンペーンの指示で)3万円と設定していたが、5万円使った
・ 末締めの27日払い
末日が締め日のカードで、9月中に5万円を使ったとします。
このままだと、10月27日の支払日には3万円しか引き落とされません。
なので10月初旬にWebの会員ページで増額の手続きをします。
10月27日には、残高が一掃されます。
手数料の計算です。
50,000 × 15.0% ÷ 365 × 27 = 554
554円の手数料が掛かります。
ちょっとキャンペーン特典と比べたときに、大きいかもしれません。
徹底して手数料を少なくしたいならば、ATMや振込み等で(ただしそれに伴う経費を計算しつつ)できるだけ早めに支払ってしまいたいところです。
最後にたびたびリボ払いに挑んでいる、筆者の最近の実践を紹介します。
以前は楽天カードで既存会員のためのリボ払いキャンペーンが多くありましたが、最近は皆無です。
現在、既存会員向けのリボ払いキャンペーンは三菱UFJニコスやJCBで見かけますが、多くは入会時限定です。
三井住友カード発行のカードです。
既存のプロミス会員でも発行でVポイントがもらえるというので、6月に入手しました。
さらに三井住友共通のキャンペーンがあり、リボ払いで3,000ポイントもらえるということなので、こちらに参加しました。
要件は次の通りです。
・ 3か月後の月末まで6万円使うこと
・ リボ設定は3万円(以下)にすること
5%還元と考え、6月の1か月間使いまくりました。といっても日常の支払いをこのカードにシフトしただけです。
ひと月で結局、6万円クリアしてしまいました。
その後増額を実施した結果、7月26日の支払日に全額引き落とされています。
初回手数料無料のリボのため、手数料は掛かりません。
10月にポイントがもらえるのを待っています。
このカードはインビテーションで入手したため、入会キャンペーンはありません。
ただ、セゾン共通でリボ払いのキャンペーン(3,000円キャッシュバック)があったので、チャレンジすることにしました。
要件です。
・ 10月10日までに5万円使うこと
・ 自動リボ宣言をすること(定額コース月5万円支払いの場合は対象外)
・ 2023年12月4日までリボ宣言を維持すること
リボの設定が「標準コース」で、月10万円以下利用の場合、月の支払額は「1万円」となります(自動で決まる)。
しかもセゾンは、初回手数料無料ではないので、放置しておくとかなり面倒です。
セゾンは締め日が10日で、キャンペーン最終日の10月10日までには5万円達成の模様です。
ただ、このままだと11月4日(土曜日なので6日にスライド)の支払日に1万円しか引落しがないため、その日に増額して全額支払い予定です。
初回手数料無料のリボではないので、手数料は300円強(他のカードより安い設定)発生します。
あるいは、10月11日以降に、電話相談の上振込みで支払うことも考えます。
ご覧の通り、セゾンのリボ払いで3,000円キャッシュバックされたとしても、手数料を除くと実利益は2,700円弱です(早期返済でもう少し手数料を縮減できる)。
「なんだ、その程度か」というご感想は、その通りだと筆者も思います。
ですが、税金や保険料をはじめ、生活において支払い方法を問わないものも多いので、無駄なものを買う必要はありません。
無から2,700円も出てくると、なかなかうれしいものです。
こちらは1万5,000円の入会キャンペーンが主眼で、その後の2千円のリボキャンペーンはおまけです。
ただ、松屋等でポイントアップするため、引き続きリボ実行中です。
入会時10万円使うノルマと、リボ払いが相反すると考え、リボ払いのキャンペーンは入会時の利用金額が引き落とされてから始めました。
※記事の中盤以降、リボキャンペーンに触れています。
世間から毛嫌いされるリボ払いで利益を得る方法を見てきました。
「今ひとつピンとこないので、とりあえずやってみる」でもいいと思いますが、自己責任でお願いします。
リボ払いも研究すると面白いものですが、ミイラ取りがミイラ(リボ漬け)となりませんよう。(執筆者:金融系ライター 沼島 まさし)
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