自営業や学生の方などの国民年金の第1号被保険者は、国民年金保険料を払わなければなりません。

国民年金保険料は、20歳から60歳までの国民年金の被保険者期間である40年間納付する必要があります。

しかし、収入が少なく保険料を納付するのが困難な方もいるでしょう。

そのような方のために、国民年金には保険料免除制度というものがあります。

今回は、この国民年金年金保険料免除制度により、40年間すべて全額保険料を免除された方が老齢基礎年金をいくら受給できるかについて解説していきます。

国民年金保険料を払わないと起こる3つのデメリット

国民年金の保険料免除制度

国民年金の保険料免除制度とは、本人、世帯主、配偶者の前年所得が一定額以下で国民年金保険料を納付するのが困難な場合、本人からの申請が承認されると免除になる制度です。

保険料免除制度には、免除される額によって

  • 全額免除
  • 4分の3免除
  • 半額免除
  • 4分の1免除

4種類があります。

国民年金の保険料免除制度の免除期間は、老齢基礎年金の受給資格期間へ算入され、減額にはなりますが老齢基礎年金の年金額への反映もされます。

老齢基礎年金の年金額への減額後の反映は、以下になります。

  • 全額免除の保険料が免除された期間については、保険料を全額納付した場合の年金額の2分の1(平成21年3月分までは3分の1)。
  • 4分の3免除の保険料が免除された期間については、保険料を全額納付した場合の年金額の8分の5(平成21年3月分までは2分の1)。
  • 半額免除の保険料が免除された期間については、保険料を全額納付した場合の年金額の8分の6(平成21年3月分までは3分の2)。
  • 4分の1免除の保険料が免除された期間については、保険料を全額納付した場合の年金額の8分の7(平成21年3月分までは6分の5)。

老齢基礎年金とは?

老齢基礎年金とは、国民年金の老齢のための年金です。

老齢基礎年金は、保険料納付済期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上ある方が、原則65歳から受給することができます。

すなわち、国民年金保険料の納付済期間がまったくなくても保険料免除期間が10年以上あれば、老齢基礎年金の受給資格を満たすことができるのです。

国民年金保険料を40年間全額免除だった場合の老齢基礎年金の受給額

老齢基礎年金の受給額は、以下の計算式で算出されます。

令和5年度老齢基礎年金の満額 × (保険料納付済期間(月数) + 保険料の免除月数 × 免除月の反映する割合) ÷ 480 (加入可能年数40年 × 12か月)

令和5年度の老齢基礎年金の年金額の満額は、新規裁定者(67歳以下)が79万5,000円、既裁定者(68歳以上)が79万2,600円です。

国民年金保険料が40年間全額免除だった場合、保険料の免除月数が480か月で免除月の反映する割合が1/2のため、満額の1/2が受給額になります。

そのため、新規裁定者(67歳以下)の場合は、79万5,000円 × 1/2 = 39万7,500円になります。

既裁定者(68歳以上)の場合は、79万2,600円 × 1/2 = 39万6,300円です。

未納の場合は年金を受給できない

このように、国民年金の免除制度を利用すれば、少なくはなりますが年金は受給することができます。

国民年金保険料が未納の場合は、年金を受給することができません

国民年金保険料が払えない場合は、国民年金の免除制度の申請をするとよいでしょう。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 国民年金保険料を40年間全額免除だった場合、老齢基礎年金をいくら受給できるか