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高齢者のおやつで元気な生活維持 選び方と飽きないとり方、疾患別おすすめ栄養補助食もご紹介
生前、大きな病気どころか風邪をひいた姿すら見た記憶のない丈夫な父でした。
6年前に人間ドックで発見されたのは、難病指定されている病でした。
現代の医療でも確かな治療法はなく、薬で進行を遅らせることしかできないとのことでした。
父も薬を服用しながら、亡くなる約4か月前までは自宅で過ごしていました。
4か月前頃に身体の動きが極端に悪くなり、入院しました。
再び自宅で過ごせる状態を目指しましたが、叶いませんでした。
よくテレビドラマでは、亡くなる寸前まで苦しいながらも最後の言葉を発するというシーンがあります。
恥ずかしながら僕自身も漠然とそんなものだと思っていました。
そういうケースももちろんあると思いますが、全く違うケースもあります。
父のケースはまさに後者でした。
治療の選択肢があり、病院としても退院を目指す段階では、コロナ禍という状況もあり、面会は一切できませんでした。
それが、状況が悪化し、治療の選択肢がなくなり、看取り段階となると一転して、面会が許可されました。
でもその頃には、残された体力が少なく、言葉を発することは出来なくなっていました。
面会に行くたびに何かを伝えようとしてくれるのにそれを聴き取れないもどかしがありました。
一方で目の前の家族に伝えられない父のもどかしさを思うとやり切れない想いも感じました。
テレビドラマのようなシーンが約束されている訳ではないというある意味当たり前の現実を痛感しました。
そんな父でしたが、最後となってしまった面会の時には、まるで自分の死期を悟っていたかのように「ありがとう」という聞き取れる言葉を発してくれました。
それまで何度か面会に来るたびに一生懸命に何かを伝えようとするけれど聞き取れなかったのに、とても不思議な瞬間でもありました。
それまで父が伝えようとしていることを受け取れなかったもどかしさと同時に申し訳なさがありましたが、最後の「ありがとう」がその申し訳なさをいくらか軽くしてくれたのも事実です。
葬儀が終わても当然ながら残された母の日常は進んでいきます。
すぐに母が直面した問題は、
「メインで使っている銀行以外の通帳・印鑑のありかが分からない」
「どこの銀行に口座を持っているか分からない」
ということでした。
てっきりお金の管理は全て母がやっていると思っていました。
それはきっと僕が子供の頃にお小遣いを貰うのも部活の合宿費用などを貰うのも母からだったことが影響しているのかもしれません。
両親の場合、通帳も印鑑も父が管理していたようです。
母は生活費で使うメインの口座の通帳とキャッシュカードだけは使えるようになっていたようです。
父が亡くなってから、母から「通帳はいくつか見つけたけれど、これで全てかどうか分からないのよね」と言われ、確かにそうだなと感じました。
とりあえず、思い当たる場所を探して、通帳を集めました。
解約した通帳には、解約と分かるようにスタンプがありましたが、そうでないものは恐らく今も現役の口座だろうと考え、通帳記帳をして回りました。
証券会社からの郵便物があったので、証券口座もあるのだろうということは分かりましたが、全部でいくつ持っているのかは全く分かりませんでした。
父宛に届いていた証券会社からの郵送物を頼りに確認していきました。
教科書とおりなら、亡くなったら速やかに金融機関にも連絡をしますが、現実には少し後回しになりました。
理由としては、銀行口座の全貌が見えなかったからというのがあります。
メインで使っていた銀行口座は、公共料金などの引落しもあるため、それらの変更手続きが済むまでは母が銀行への連絡を拒みました。
母は、父が亡くなる少し前から父の入院費用などの支払いでまとまった支出が発生するからと父名義の銀行口座から預金をおろして、自宅に持ち帰っていました。
FP的な視点から、手許現金の収支は記録しておくようにアドバイスをしていました。
理由は父の相続の時に相続発生時点の財産総額をまとめるのに不明瞭な銀行口座からのお金の動きがあると揉め事の火種にもなりかねないからです。
わが家が相続で揉めることはないかなと思っていますが…
銀行に死亡の連絡を入れ始めるとその後の必要書類が案内されます。
その中に必ず含まれるのが、「亡くなった口座名義人の出生から死亡までの戸籍謄本(正確には除籍謄本)」があります。
戸籍の厄介なところは、生前住んでいた住所地に必ずあるとは限らないということです。
現に僕も結婚後、実家の住所に両親の戸籍とは別の新しい戸籍として登録していますが結婚後、実家に住んだことはありません。
当然、正確な所在地が分からなければ、戸籍取得の申請もできません。
その為、現在の最新の戸籍を取得し、そこに記載のあるひとつ前の戸籍の所在地を確認していく作業を繰り返して、出生時の戸籍に辿り着く必要があります。
父の場合、実家のある県内を数か所移転し、その前は都内にもあり、さらにその前は北海道内をいくつか移転し、出生地に辿り着きました。
全部で戸籍は7通になりましたが、これが多い方かは分かりません。
何が大変かと言えば、戸籍をひとつ取っては、前の所在地を確認する作業を繰り替えすことになるため、遠方に戸籍があると郵送でのやり取りとなり時間がかかることです。
一方で、戸籍の取得で感じたのは、戸籍の登録所在地を遡ることで、父の人生のほんの一部を追体験しているような感覚となり、自分のルーツを辿っているような感覚もありました。
父が亡くなる体験を通して、改めて感じたエンディングノートの有効性があります。
エンディングノートに書いてあれば、残された家族の手間も軽減されるという観点からの有効性です。
堅苦しく考える必要はなく、「ありがとう」のひとことだけでもとても大きな力をと癒しを与えてくれるメッセージです。
エンディングノートの保有率は高齢者になるほど高くなりますが、実際に書いている人は少ないようです。
葬儀のことだったり、財産のことだったり、書いていて楽しいと思える内容ではないのもその理由かもしれません。
エンディングノートは、全てを埋める必要はないと思います。
書けるところだけでも良いですし、メッセージを残すだけでも良いと思います。
口座情報なども残してくれるとありがたいですが、それは通帳を分かるように保管しておくなど他の手段でも対応可能です。
何度でも書き直せば良いので、気軽にその時のメッセージを書き留めるのでも良いと思います。
自分が最期を迎える時にどんな状態になっているのかは分かりません。
最後まで言葉を発することができるのかもしれませんし、突然、その時を迎えるのかもしれません。
いつでも後悔のない人生を送ることが肝心だと思いますが、人間そうもなかなかできません。
だからこそ、気持ちを書き残しておくことが重要になるのかもしれません。
日頃から自分の気持ちを表すのが上手な人もいれば、そうでない人もいます。
「ありがとう」の一言でも残してあげることでそれを受け取った人には、たくさんのことが伝わるような気がします。
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