確定拠出年金とは、確定拠出年金法で定められた老後における所得の確保による国民の生活の安定と、福祉の向上を目的とした年金制度です。

確定拠出年金の仕組みは、個人や事業主が拠出した掛金を基に、加入者が自己責任で運用の指図を行うことで、その運用収益によって将来の年金額が決まってきます。

確定拠出年金は、企業型確定拠出年金(企業型DC)と個人型確定拠出年金(iDeCo)の2種類に分かれます。

今回は、福利厚生の一環としての企業年金として導入される「企業型確定拠出年金」について、わかりやすく解説していきます。

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企業型確定拠出年金の概要

企業型確定拠出年金とは、企業が加入者である従業員の年金口座に掛金を毎月拠出して、従業員自らが年金資産の運用を行う企業年金です。

原則60歳で年金または一時金として受給できますが、受給額は掛金と運用収益によって決まってきます。

企業型確定拠出年金の給付の種類

企業型確定拠出年金の給付の種類は、「老齢給付金」「障害給付金」「死亡一時金」の3種類と、例外として「脱退一時金」があります。

1. 老齢給付金

老齢給付金とは、確定拠出年金の加入者期間が10年以上ある場合、原則60歳から受給できる給付金です。

受給開始は60歳から75歳までの期間で加入者が選択し、基本的には5年以上の有期年金または終身年金になります。

また、規約の規定により一時金や、一時金と年金を併給することも可能です。

ただし、75歳までに請求がなかった場合には、全額一時金として強制的に支給されます。

老齢給付金は、

  • 年金で受給した場合は雑所得、
  • 一時金で受給した場合は退職所得

として課税対象になります。

ただし、年金で受給した場合は公的年金等控除、一時金で受給した場合は退職所得控除の対象です。

2. 障害給付金

障害給付金とは、加入者や加入者だった方が傷病などにより障害等級の1級または2級に相当する高度障害になった場合に、受給できる給付金です。

障害給付金の受給方法は、5年以上の有期年金または終身年金ですが、規約の規定により一時金や、一時金と年金を併給することも可能です。

障害給付金は、所得とはみなされず非課税です。

3. 死亡一時金

死亡一時金とは、加入者等が死亡した場合に、加入者の遺族が資産残高を一時金で受給できる給付金です。

死亡一時金の受給者は、加入者が生前に指定できます

ただし、加入者が生前に指定していない場合には、配偶者、子、父母、孫、祖父母または兄弟姉妹の順の優先順位で受給できます。

死亡一時金は、みなし相続財産であるため、相続税の課税対象になります。

4. 脱退一時金

脱退一時金とは、60歳前に転職や退職するなどのやむを得ない一定の条件に該当した場合に受給できる一時金です。

企業型確定拠出年金制度を活用しよう

企業型確定拠出年金制度は、確定拠出年金で積み立てた資産を、転職などの場合に他の制度へ持ち運べるポータビリティ制度があることが特徴です。

また「マッチング拠出制度」を採用している会社であれば、会社が拠出してくれる掛金に加えて、加入者本人が上乗せして掛金を拠出できます。

このマッチング拠出は、加入者本人が拠出する掛金が全額所得控除の対象になりますので、税金の軽減にもつながります。(執筆者:社会保険労務士、行政書士 小島 章彦)

 

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情報提供元: マネーの達人
記事名:「 企業型確定拠出年金(企業型DC)について 給付の種類や特徴を解説