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税制改正で最も大きな変更点は、制度が恒久(こうきゅう)化することです。
「恒久化」とは、一時的な制度や対応がずっと継続することをいいます。
現在存在する「一般NISA」・「つみたてNISA」および、未成年者を対象とした「ジュニアNISA」の3種類は、いずれも適用期間が決まっているため、期限を過ぎるとNISAを利用した投資ができなくなる問題がありました。
しかしNISAが恒久化すれば、いつでもNISAを利用した投資が可能になりますので、現在は投資に回せる資金がない人でも、資金の余裕ができた段階でNISAを活用できるようになります。
税制改正で生まれ変わる「新NISA」は、年間に投資できる枠や非課税限度額が拡大するのも大きな特徴です。
「一般NISA」は控除額が120万円と大きいですが、非課税限度が600万円と小さく、保有期間も5年と短いのがマイナスでした。
「つみたてNISA」は非課税保有期間が20年間と長期間保有することを目的としており、非課税限度額は800万円と一般NISAよりも高いですが、年間投資枠が40万円と小さいのがネックでした。
それに対し「新NISA」は、年間非課税枠120万円とは別に成長投資枠として240万円が非課税枠として設けられるため、年間で最大360万円もNISAを利用した投資が行えるようになります。
また非課税限度額も1,800万円と、既存のどの制度よりも大幅に限度額が上がりますし、保有期間は無期限となっていますので、超長期的に資産運用することも可能です。
税制改正により誕生する新NISAは、恒久的に利用できる反面、1,800万円の非課税限度額をうまく活用することが節税面の肝になります。
株式の売買に対する譲渡所得税は、売却利益に対して課される税金ですので、多額の売却利益が見込めそうな株式を購入する際にNISAを利用するのが、最も節税効果が高いやり方です。
早めに非課税限度額を使い切ってしまうと、株価が大きく上昇する見込みのある株式を購入する際、NISAを適用できないケースも考えられます。
またNISAは利益が非課税になる代わりに、損失もゼロになる特性がありますので、NISA内の赤字と、他の株式の売却利益を損益通算することはできませんのでご注意ください。
令和4年12月16日に発表された令和5年度の税制改正大綱は、与党が作成したものであり、通常であれば法が成立するのは翌年3月下旬ごろです。
税制改正の議論は年明けから行われますが、これから改正内容が変更することもありますし、成立しない可能性もゼロではありません。
新NISAの具体的な手続き方法等は、成立してから発表されると思われますので、現段階においては、NISAが生まれ変わりそうとの認識を持っているだけで大丈夫です。(執筆者:元税務署職員 平井 拓)
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