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金融引き締めになると「住宅ローン金利」はどうなる? 銀行員が解説
「年収に占める年間返済額の割合」で、「年間返済額÷年収」と計算します。
返済比率から借入可能額をシミュレーションすると、
「そんなに借りられるの?」
「そんなに借りていいの?」
こんな質問があるのではないでしょうか。
返済比率は主に30%、35%、25%と言われています。
返済比率は、二つの観点から用いられます。
一つは、金融機関が住宅ローンの審査を行う際に使う指標です。
もう一つは、家計から予算を作る際に用います。
なぜ2パターンで考えなければいけないのか。
返済比率(いくら借りられるか)の考え方について解説します。
返済比率は各金融機関が各自に設定しており、公にはなりません。
住宅金融支援機構が取り扱うフラット35は、返済比率が公表されております。
各金融機関はフラット35に準じていると思われます。
返済比率は基本的に、年収が低いほどは低くなり、年収が上がるにつれ高くなります。
生活費はある程度決まっており、年収が低ければ生活費が占める割合が高い、年収が高ければ割合が低いと考えられるからです。
なお金融機関の返済比率で用いられる年収は、給料明細などを参考に額面金額で計算します。
住宅ローン申し込み者に対して、最大融資可能額を提示する際に用いられます。
【住宅ローンの計算】
年収を額面で計算
・ 返済回数(返済年数)
・ 月毎返済額
・ 借入額(融資額)
・ 利息(審査金利、フラット35は当期の金利)
月毎返済額は、年収に返済比率を掛けて12で割ります。
住宅ローン以外のローン借り入れがある場合は、毎月の返済額に合算します。
収入合算に注意しましょう。
住宅ローンは、連帯債務等の方法を使い年収を合算して申請することができます。
収入が増えれば月毎返済額も増え、融資可能額が増えます。
増えることはよいことですが、借りすぎは危険です。
返済期間、自分と配偶者が常に収入があるとは限りません。
住宅支援機構の調査結果では「審査の際に重視される項目」として 「返済負担率(毎月返済額/月収)」が上位に挙がっています(P25)
参照:住宅金融支援機構(pdf)
住宅ローンの申請をする際は、返済比率を上げすぎないようにしましょう。
家計の中で住宅ローンに振り分けることができる金額を表します。
食費・水道光熱費・被服費・通信費・教育費などの家計の中で、住宅関連の支出がどれくらいかを表しています。
こちらは月々の収入から返済比率を計算しますので、社会保険や税金の支払いを抜いた手取りで計算します。
住宅支援機構の調査結果(pdf)では、 2020年年債負担率22.2% (P17)。
上記調査は額面上の年収が分母です。
手取りで計算する、分母である収入が減るので比率が上がります。
手取り年収で考えれば、住宅ローンの返済比率は25%程度と考えればよいのではないでしょうか。
人生のそれぞれの段階(ライフステージ)毎に、家計の比重は変わります。
結婚していれば、子供がいない時期、子供が小さい時期は家計費を押さえられます。
反対に子供が大学等に進学する場合は家計費がかさみます。
独立して業務をおこなう、リカレントのため就労時間が減る、親族の介護をしなければならないなど収入減が想定されていませんか。
相続等による収入増もあるかもしれません。
住宅ローンの平均返済期間は約16年(P17)。
参照:住宅金融支援機構(pdf)
住宅ローンを返済するまでの期間、収入の増減が想定されているものは平均して年収を計算します。
返済比率が上がりすぎないようにすることが肝要です。
金融機関が「貸してくれる額」と、借りた人が「無理なく返せる額」はイコールではありません。
金融機関側の返済比率の上限と、理想的な返済比率との間には差があります。
住宅ローンの契約時は30%程度の返済比率に注意しつつ、特に収入合算による評価増に際しても「借りすぎないこと」。
住宅ローンの返済は長期に及ぶので、契約時だけでなく完済まで平均の支出を想定し、返済比率を加味すること。
両視点から、返済比率と額面か手取りかを含め、検討してください。
住宅ローンは完済して終わります。契約時に無理な借り入れはしないようにしましょう。(執筆者:CFP、1級FP技能士 金 弘碩)
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