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金融資産1000万円が「見える世界が変わる」節目 つみたてNISAを続けることで到達可能
つみたてNISAの非課税期間(現行20年間)を無期限とする方向での検討へ入ったとのことで、多くの投資家が待ち望んでしたNISAの恒久化実現に向けて大きな前進がありました。
また、年間投資上限額(現行40万円)についても拡大する方向とのこと。
これまでは「見送り」が繰り返されてきたNISA制度恒久化について、今年は何かしらの進展がありそうだと期待せざるを得ません。
さらに驚きなのが「岸田首相がすでにNISAの恒久化を表明している」という点です。
記事の内容からすると、岸田首相が表明しているNISAの恒久化についてはおそらく「一般NISA」を指していると思われますが、一般NISAだけ恒久化されてつみたてNISAは現行のままというのは考えにくいでしょう。
一般NISA、つみたてNISA共に何かしらの「恒久化」が実現されると考えて間違いないのではないでしょうか。
NISA恒久化については9月の過去記事でも解説しております。
改めて全投資家に知っておいていただきたいNISA恒久化について、特に「つみたてNISA」を題材に見ていきたいと思います。
そもそもつみたてNISAとはどういった制度でしょうか。
NISAは「少額投資非課税制度」のことで、その名の通り、限度額内の投資において利益が出ても非課税で受け取ることができる制度となっています。
通常、投資で得た利益には約20%の税金が課されます。
例えば
この場合、投資額50万に対して株式売却で得ることができる金額は80万円となります。
つまり30万円の利益を得たということになります。
この利益30万円に約20%の税金が課されますので、6万円が差し引かれることとなり、税引き後利益は24万円、手元に戻ってくる総額は74万円となります。
ですがNISA制度を活用していると上記30万円の利益が非課税、丸々手元に返ってくることになります。
このNISAの積立投資版がつみたてNISAとなります。
つみたてNISAは
・ 年間投資上限額が40万円
・ 非課税期間20年間
・ 投資できるのは金融庁が認めた投資信託への積立投資
といった特徴を持った非課税制度ですが、「優良ファンドへ毎月コツコツ投資していく」という制度設計上、投資初心者でも実践しやすく口座開設数も順調に増加してきております。
NISA制度拡充、とりわけ恒久化の論点となるのが下記の3つです。
現行のつみたてNISAでは年間40万円が投資限度額とされています。
今回、政府・与党としても投資可能額の拡大を検討しているとのことですので、より多くの金額を積立できるようになるかもしれません。
年間40万円だと月割すると約3.3万円とどうしても割り切れない金額になってしまいます。
例えば月5万円、年間60万円までとした方が見栄えも良いでしょうし、より多くの金額を非課税運用することができます。
少しずつでも拡大していくことによって、より多くの資産を将来に準備できることになるでしょう。
現行のつみたてNISAでは投資可能期間が2042年までとなっており、投資を始めるタイミングが遅い場合は20年間の非課税期間を使い切れないことになってしまいます。
こちらも恒久化されることにより、いつ始めても最長20年間の非課税期間を活用できるようになればさらに多くの方に広まるようになるでしょう。
現行のつみたてNISAでは20年間という非課税期間が設定されています。
この無期限化が実現すると30年や40年といった超長期にわたって非課税で運用することが可能となります。
複利運用はその期間が長ければ長いほど効果が大きくなります。
老後生活費を心配する庶民にとって、非課税期間の無期限化ほどうれしい改正はないでしょう。
今年の改正で全ての恒久化が実現されることはないでしょう。
冒頭にも解説した通り過去の提言も「富裕層優遇」などといった理由で先送りされてきた経緯があるからです。
ですがNISAを本当に必要としているのは私たち一般庶民、普通の人です。
富裕層にとってはNISAで投資できる程度の金額ではたいした恩恵はありません。
少しでも将来のお金を準備するべく悪戦苦闘している私たちにこそこういった非課税制度が必要だと考えています。
冒頭に紹介した記事にもある通り、まずは「非課税期間の無期限化」が現実味を帯びています。
非課税期間が無期限化されれば投資期間が長く取れる若年層ほど大きなメリットがあります。
例えばつみたてNISA初年度に投資した40万円を年利5%で30年間運用した場合、約179万円と4倍を超える金額になります。
40年間運用できた場合は約294万円と7倍を超える金額にまで成長します。
複利の効果は期間が長いほどその威力を発揮するのは解説した通りです。
もちろん40代、50代といった世代にとっても非課税期間が長くなることはメリットしかありません。
岸田政権の掲げる「貯蓄から投資へ」の流れを促すためにも英断を求めたいところです。
期待に胸を膨らませ年末の税制改正大綱を待ちたいと思います。(執筆者:FP技能士2級、証券外務員1種 冨岡 光)
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