- 週間ランキング
費用負担が大きい「施設入所の前に」検討してほしい在宅介護サービス
サービス付き高齢者向け住宅について簡単にご説明すると、バリアフリー構造で、一定の広さや設備があり、スタッフによる安否確認や生活相談のサービスが提供される高齢者専用の賃貸住宅です。
他に各施設によって提供されるサービスとしては、食事やお茶が決まった時間に提供されるサービスや住民同士によるサークル活動の開催などがあります。
また、お風呂は各居室ではなく、各階に共同風呂が設置されているところが多い点も特徴です。
台所は、簡単なものが自室についている施設もあれば、共同の食堂に設置されているなど施設によって異なります。
どの施設にも共通していることは、安全に過ごせる高齢者の集合住宅といったイメージという点です。
入居できる高齢者の方も各施設によって基準があります。
自立している方から終の棲家として利用したい方まで入居可能な施設もありますが、介護度が高くなると別の施設に移らなければならない施設もあります。
介護保険が適応される施設ではないので、介護保険で入浴や排泄等の身の回りの支援を受けようとする場合は、外部の介護保険サービス事業所と契約を結ぶ必要があります。
これは、入居前に使っていた介護サービスを継続して利用できるというメリットになり、慣れない環境でも安心して生活できる材料になるのではないでしょうか。
また、サービス付き高齢者向け住宅でも、入浴の簡単な見守りやポータブルトイレの掃除など対応しているところもあります。
施設特有の対応サービスについて、個別の料金がかかるかどうかは、各施設によります。
自分に必要な介護保険サービス・介護保険外のサービスを自由に組み合わせて、利用できるところがサービス付き高齢者向け住宅の魅力になります。
しかし、食事や寝起き等、生活のすべてに介助が必要な方では、施設内で24時間、外部の介護保険サービス事業所を利用することが難しい場合もありますので、介護度が高い方には、あまり向いていない施設と言えます。
介護付き有料老人ホームは、身の回りの支援等を介護保険サービスにより、施設内で施設職員から受ける施設になります。
入居できる方は、施設によって異なります。
要支援1から要介護5の方まで受け入れ可能な施設もありますので、入居を希望する施設に必ず確認しましょう。
施設内は、洗面台やトイレが完備され、一定の広さでバリアフリーに整えられた個室、浴室や食堂等の共同生活の場があります。
施設から提供される介護保険サービスの利用料は、介護度によって異なり、月額定額になります。
介護保険サービスが入居している施設により提供される為、統一感のある支援を受けることができます。
また、さまざまな生活場面を介護保険サービスでフォローされる安心感もあります。
生活が変わる不安が大きい方や、生活のすべてに支援が必要な方におすすめです。
しかし、介護度が高い方や日常生活で常に見守りが必要な方が多く入居されている介護付き有料老人ホームの場合、他者との交流が少なくなる可能性があり、介護度が低い方には、施設内での生活が単調に思える可能性があります。
また、外部で利用していた馴染みある介護保険サービスの事業所が利用できないデメリットもあります。
サービス付き高齢者向け住宅と介護付き有料老人ホームのかかる入居費用を見ていきましょう。
それぞれの施設により料金は異なりますが、相場をご紹介します。
入居一時金 | 月額費用 | |
サービス付き高齢者向け住宅 | 0~30万円 | 12~20万円 (賃料・食費・水道光熱費・管理費・安否確認・生活相談サービス費等) |
介護付き有料老人ホーム | 0~数百万円 | 16~30万円 (介護保険自己負担分・居住費・管理費・食費等) |
費用を比べてみると、サービス付き高齢者向け住宅の方が安いですが、介護付き有料老人ホームには、介護保険の自己負担分が、月額費用に含まれています。
サービス付き高齢者向け住宅で、介護付き有料老人ホームと1か月の料金が変わらない場合、介護保険の自己負担分が上乗せされると、サービス付き高齢者向け住宅の方が高くなる可能性もあります。
また、施設によっては、夏場、冬場の冷暖房費、持ち込んだテレビや冷蔵庫の電気代、シーツや寝具のレンタル代など、上記にあげた項目以外にも費用が発生する場合があります。
入居される方の経済状況や利用するサービスを考えて、入居施設を選ぶことをおすすめします。
参照:サービス付き高齢者向け住宅 かえで1号館 2号館料金表
参照:介護付き有料老人ホーム有料老人ホーム ライフェール料金表
今回は、老後に安心して過ごせる住居ということで、サービス付き高齢者向け住宅と介護付き有料老人ホームをご紹介してきました。
住み慣れた家を離れて、施設に移るというのは、大きな決断です。
入居後の生活をどういったように送りたいかを念頭において、経済状態と料金、受けられるサービス、施設との相性等を考慮して、施設を選ぶことが大切です。
また、施設職員の方と、こういった場合はどうなるかなど気になることは必ず契約前に確認しましょう。
どの施設も他人との生活になりますので、自宅とは違い、気を使う場面もあります。
安心して生活できる場所に住むことは、精神的な安定や家族の安心につながります。
まだ大丈夫と思っている方でも、一度どういった施設があるのか等事前に調べてみることで今後の生活スタイルのイメージを広げることができますよ。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)
身の回りのことができれば低料金で入所できる施設「軽費老人ホーム/養護老人ホーム」 特徴や違いを解説
介護費用を抑える基本は「健康寿命」を延ばすこと 寝たきりにならない対策を紹介