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現役の介護のプロが教える 100均でも買える「介護グッズ」11選と買ってはいけないもの。
家族が認知症になり介護が必要になるとお金がかかり、生活費に響いてきます。
金銭面の負担だけではなく、家族の労力という面でも介護休暇だけでは在宅介護を支えることは難しくなるとも考えられます。
介護保険の介護サービスを限度額ギリギリまで利用することや介護のために家族が転職や離職を余儀なくされるケースもあります。
認知症によって介護が必要になると、どのようなことにお金がかかるのかを整理しておきましょう。
〇デイサービスやショートステイなどの介護保険サービスの利用
〇おむつや福祉用品などの日用品
〇ランニングコストの増加(水道光熱費)
〇家族介護にかかるガソリン代や交通費負担
〇その他
・ 介護離職や休暇取得が多くなる
・ 常時の見守り、付き添いという人手が必要になることの係る出費
・ 医療機関受診回数が増加
・ 服薬治療、服薬調整が細やかに必要になる
ランニングコスト(水道光熱費)や交通費などは、お住まいの地域によっても大きく差がでるところですが、介護費用として見落としがちになるポイントでもあります。
介護保険の介護サービス費用のほかにも家計には少なからず影響は及ぶということが考えられます。
介護する家族が介護離職とならないように、ここに挙げた費用を見込んで今からできることは少しづつ準備しておくことをおすすめします。
いざという時に少しでも家族の介護負担を軽減でき、節約できる暮らしをするためには、普段から認知症予防を実践し、1日でも介護を必要としない日が長くなることを目指しましょう。
今、介護を必要としている状況にある方も、これ以上認知症が進行せず介護度が重くならないということが重要です。
認知症予防の本や実践できるドリル、リハビリ用具などさまざまありますが、ここではお金をかけずにできる認知症進行予防のコツをお伝えします。
認知症の方や高齢者の方は、身体的な衰えや物忘れによって、
「今までできていたことができない」
「何かが違う」
という感覚から、不安感や喪失感を持ってしまいます。
そこで『不安感の除去と成功体験の誘導』という考え方で接するというコツがあります。
不安の除去は認知症介護では鉄則です。
認知症の診断がついていなくても高齢者の方に安心感や、「できる」という感覚を持ってもらうことは認知症予防につながります。
具体的な接し方を2つご紹介します。
例)膝痛のため仏壇の水を取り替える日課が難しくなってきたとき。
→ お盆をのせることができるタイプの歩行器を利用して日課が継続できるように配慮する。
例)受け答えがうまく出来なくなっている方、誕生日はいつか、年齢は何歳かなどについて思い出すことができない場合。(※認定調査などの場面以外)
→ そばにいる人が「昭和…」まで声がけをしてあげると、続きを流れで正確に答えられることがあります。
いずれの場合も「できる」ということを周囲が褒める、認めるという態度で接するのが効果的です。
安心感や満足感、さらには役割を得ることで認知症の方の「戸惑い」や「混乱」が打ち消され、症状として出ている徘徊や聞き返しなどがおさまる効果が期待できます。
これらの関り方の手法は、慣れてくるとさまざまなシチュエーションで活用できます。
・ 洗濯物を畳む際に手順をさりげなく見せてみる
→ 模倣により「畳むことができる」
・ 箸の他にフォークも添えてみる
→ 見て自分で道具を選択「食べることができる」
・料理の味付けを聞く、手伝ってもらう
→ 教える「家族の役に立つ、自分の存在意義の確認」
家族だからできる、さりげない支援こそが効果的で持続可能な認知症予防になります。
認知症介護が必要になっても、必要な介護費用を知っておくことは大きな安心感につながります。
また、ちょっといつもと違うかなと感じたときは早めに「物忘れ外来」や主治医の先生に相談するようにしましょう。
本人の受診が難しい場合にはお近くの介護の窓口に相談することも有効です。
初めはどうしてよいかわからないのが認知症介護です。
これからの認知症介護の道しるべとなってくれることでしょう。
介護保険を使って介護サービスを利用する以外にも、家族にできる0円介護に目を向けて介護費用節約を心がけていきましょう。(執筆者:現役老人ホーム施設長 佐々木 政子)
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