週明け31日の中国本土市場は、主要指標の上海総合指数が前営業日比14.69ポイント(0.41%)高の3615.48ポイントと反発した(上海A株指数は0.41%高の3789.79ポイント)。約3カ月ぶりの高値水準に達している。


人民元高の進行が好感される流れ。中国人民銀行(中央銀行)は31日、人民元レートの対米ドル基準値を先週に続き元高方向に設定した。上海外国為替市場では、約3年1カ月ぶりの元高水準で推移している。人民銀の元幹部は、足もとの人民元上昇ペースは「行き過ぎ」——と指摘したものの、人民元の先高観が意識される状況だ。新型コロナウイルス感染再拡大の警戒感浮上で指数は安く推移する場面がみられたものの、下値は堅く、中盤からプラスに転じている。中国南部の中核都市、広東省広州市は30日夜、感染力の強い新型コロナウイルス変異種の感染増を踏まえ、31日午後から市外移動規制を導入すると発表した。その一方で、中国国家衛生健康委員会の専門家チームトップを務める鍾南山氏によれば、中国コロナワクチン接種率は2021年末までに約80%に達する可能性があるという。(亜州リサーチ編集部)


業種別では、ハイテク関連の上げが目立つ。半導体材料の有研新材(600206/SH)がストップ高、積層セラミックコンデンサー(MLCC)の福建火炬電子科技(603678/SH)が6.8%高、半導体デバイスの上海韋爾半導体(WILLSEMI:603501/SH)が5.1%高、情報セキュリティーの航天信息(600271/SH)が4.6%高、集積回路(IC)設計の上海貝嶺(Shanghai Belling:600171/SH)が4.5%高で引けた。


医薬品株も高い。河南太龍薬業(600222/SH)が7.6%、華北製薬(600812/SH)が4.4%、広州白雲山医薬集団(600332/SH)が2.4%、ショウ州片仔コウ薬業(600436/SH)が1.8%ずつ上昇した。紙パルプ株、非鉄株、防衛関連株、公益株、不動産株、自動車関連株の一角なども買われている。


半面、金融株はさえない。中国平安保険(601318/SH)が1.6%、中国人寿保険(601628/SH)が0.8%、中国工商銀行(601398/SH)が1.1%、招商銀行(600036/SH)が0.5%、中信建投証券 (601066/SH)が0.8%ずつ下落した。運輸株、エネルギー株も売られている。


一方、外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.08ポイント(0.43%)高の250.95ポイント、深センB株指数が6.08ポイント(0.53%)高の1159.80ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 31日の中国本土市場概況:上海総合0.4%高で反発、ハイテクと医薬に買い