16日の香港市場は、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比193.93ポイント(0.67%)高の29027.69ポイントと続伸し、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が185.35ポイント(1.66%)高の11329.43ポイントと3日ぶりに反発した。売買代金は1545億8500万香港ドルに縮小している(15日は1936億8700万香港ドル)。


中国景気の先行きが楽観される流れ。前日発表の中国指標上振れが改めて買い材料視されている。1〜2月の経済統計では、小売売上高が前年同期比33.8%増、鉱工業生産額が35.1%増に達し、市場予想をそろって上回った。また、UBSは最新リポートで、2021年中国GDP成長率見通しを従来想定の「8.2%」から「9.0%」に上方修正している。先ごろ閉幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の「政府活動報告」では、21年のGDP成長率目標を「6%以上」に設定した。(亜州リサーチ編集部)


ハンセン指数の構成銘柄では、スマートフォン中国大手の小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が8.0%高、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(ウーシー・バイオロジクス:2269/HK)が5.5%高、電動工具メーカー大手の創科実業(テクトロニック・インダストリーズ:669/HK)が5.2%高と上げが目立った。小米集団に関しては、米連邦地裁が12日、米制裁リストから小米集団を一時除外する判断を示したことが引き続き手がかりになっている(前日は7.0%高)。また、英国のFTSEラッセルが15日、自社算出の株価指数に小米集団を再び組み入れる可能性があると発表したことも追い風だ。


セクター別では、医薬品が高い。上記した薬明生物技術のほか、康哲薬業HD(867/HK)が8.2%、石薬集団(CSPCファーマシューティカル・グループ:1093/HK)が5.1%、中国生物製薬(1177/HK)が3.4%、百済神州(ベイジーン:6160/HK)と緑葉製薬集団(2186/HK)がそろって2.4%、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス:6185/HK)が2.3%ずつ上昇した。石薬集団については、4割増益の通期決算も好感されている。


自動車セクターもしっかり。中国恒大新能源汽車集団(恒大汽車:708/HK)が10.8%高、長城汽車(2333/HK)が4.0%高、吉利汽車HD(175/HK)が3.0%高、比亜迪(BYD:1211/HK)が2.9%高、東風汽車集団(489/HK)が2.4%高で取引を終えた。中国恒大集団(3333/HK)傘下EVメーカーの恒大汽車に関しては、業容拡大の期待が高まっている。騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)傘下の北京梧桐車聯科技と合弁会社を立ち上げ、独自の車載操作システムを共同開発すると発表した。


空運やホテル、カジノなどレジャー関連も物色される。中国東方航空(670/HK)が4.4%高、中国国際航空(753/HK)が4.1%高、香港上海大酒店(香港上海ホテル:45/HK)上海錦江国際酒店集団(2006/HK)がそろって2.6%高、新濠国際発展(メルコ・インターナショナル:200/HK)が4.6%高、銀河娯楽集団(ギャラクシー・エンターテインメント:27/HK)が3.2%高と値を上げた。航空各社が公表した2月の営業実績では、旅客数が急回復している。


半面、香港に拠点を置く銘柄群の一角はさえない。AIAグループ(1299/HK)が2.5%、長江実業集団(1113/HK)が1.7%、HSBC(5/HK)と九龍倉置業地産投資(1997/HK)がそろって1.5%、香港鉄路(MTR:66/HK)が1.4%ずつ下落した。


一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.78%高の3446.73ポイントで取引を終了した。金融株が高い。消費関連株、不動産株、医薬品株、海運株、インフラ関連株なども買われた。半面、エネルギー株は安い。素材株、ハイテク株の一角も売られた。

亜州リサーチ(株)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 16日の香港市場概況:ハンセン0.7%高で続伸、小米8.0%上昇