8日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比34.69ポイント(0.14%)高の24624.34ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が65.57ポイント(0.67%)高の9830.39ポイントとそろって5日ぶりに反発した。売買代金は1406億香港ドルと低水準が続いている(7日は1582億4200万香港ドル)。

新型コロナウイルスのワクチン実用化に期待感。北京で開催中の「2020年中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS)」では、中国企業2社の開発した新型コロナウイルスワクチンに注目が集まっている。うち国薬集団のワクチンは、今年12月末にも市場投入が可能という。また、海外では、トランプ米大統領が7日、10月中にもワクチン実用化の準備が整う可能性を示唆した。ワクチン開発が世界的に進ちょくするなか、経済活動正常化も早まると期待されている。米中関係の悪化や香港の社会不安などを警戒し、指数はマイナス圏で推移する場面がみられたものの、下値は堅く、後場に入り再びプラスに転じた。(亜州リサーチ編集部)


中国の大型金融株が相場をけん引。中国工商銀行(1398/HK)が4.7%高、中国農業銀行(1288/HK)が4.0%高、中国銀行(3988/HK)が3.6%高、中国建設銀行(939/HK)が3.1%高、中国人寿保険(チャイナライフ:2628/HK)が2.6%高、中国平安保険(2318/HK)が1.2%高と値を上げた。

中国の発電セクターもしっかり。中国電力国際発展(2380/HK)が2.1%高、華電国際電力(1071/HK)が1.9%高、華潤電力HD(836/HK)が0.8%高で引けた。原子力発電所運営で中国最大手の中国広核電力(CGNパワー:1816/HK)は1.2%上昇している。業績の改善が期待された。「年初来累計の電力消費量が中国各地で、相次ぎプラス成長に転換している」と報じられている。

半面、ハイテクやITの「ニューエコノミー」関連などで構成されるハンセン科技指数は1.6%安。組み入れウエート上位の構成銘柄では、小米集団(シャオミ・コーポレーション:1810/HK)が7.2%安、美団点評(メイトゥアン・ディエンピン:3690/HK)が4.1%安で取引を終えている。インドにも拠点を置く中国スマートフォン大手の小米集団に関しては、中印国境地帯に緊張が走ったこともネガティブ。中国人民解放軍は8日朝、「インドとの国境地帯でインド側が二国間協定に反し、空中に向けて威嚇射撃した」と非難する声明を発表した。

一方、本土市場は5日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.72%高の3316.42ポイントで取引を終えた。金融株が高い。発電株、運輸株、自動車株、不動産株、消費関連株、素材株なども買われた。半面、ITハイテク関連株の一角は売られている。
亜州リサーチ(株)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 8日の香港市場概況:ハンセン0.1%高で5日ぶり反発、中国金融セクターに買い