18日の中国本土市場は値上がり。主要指標の上海総合指数は、前日比12.29ポイント(0.36%)高の3451.09ポイントと4日続伸した(上海A株指数は0.36%高の3617.42ポイント)。終値で年初来高値を更新する。(亜州リサーチ編集部)


低金利政策の継続期待が相場を支える流れ。中国の国務院(内閣に相当)は17日、大規模な景気刺激策には依存しないとしたうえで、貸出金利を低水準に誘導する方針を表明した。潤沢な流動性を維持する方針という。中国人民銀行(中央銀行)が20日に公表する事実上の貸出基準金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しても、低金利が継続すると見込まれている。ただ、上値は重い。米中対立の警戒感が依然としてくすぶっている。米商務省は17日、通信設備メーカー中国最大手の華為技術(ファーウェイ)に対する半導体輸出規制をさらに強化すると発表した。また、上海総合指数は年初来高値に接近するなか、売り圧力も意識されている。

業種別では、消費関連の上げが目立つ。スーパーマーケットチェーンの上海百聯集団(600827/SH)がストップ高、業界大手の重慶ビール(600132/SH)が9.0%高で引けた。医薬品関連株も急伸。医薬品卸売の国薬集団薬業(600511/SH)が値幅制限いっぱいまで上昇した。国薬董事長はグループ企業の中国生物技術が開発した新型コロナワクチンについて、「最終段階の臨床試験(治験)を実施中で、早ければ12月にも一般向けに上市(発売)できる」との見通しを明らかにした。董事長によれば、費用は高額にはならず、2回接種で1000人民元(約1万5200円)程度と述べている。そのほか自動車株、インフラ関連株、産金株、非鉄株なども買われた。

半面、金融株の一角はさえない。中国平安保険(601318/SH)が1.7%安、中国銀行(601988/SH)が1.2%安、中信建投証券(601066/SH)が1.1%安と値を下げた。半導体関連株も安い。LED基盤・チップ中国最大手の三安光電(600703/SH)が2.3%下落した。空運株や公益株、不動産株の一角も売られている。

一方、外貨建てB株相場は値上がり。上海B株指数が1.07ポイント(0.44%)高の243.86ポイント、深センB株指数が1.46ポイント(0.16%)高の939.23ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 18日の中国本土市場概況:上海総合0.4%高で4日続伸、消費関連に買い