30日の中国本土市場は小幅に値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比7.73ポイント(0.23%)安の3286.82ポイントと4日ぶりに反落した(上海A株指数は0.23%安の3286.82ポイント)。(亜州リサーチ編集部)


新型コロナウイルス感染再拡大が警戒される流れ。中国国家衛生健康委員会は30日、「中国本土で29日に新型コロナ感染105人が新たに確認された」と発表した。28日の新規感染者は101人で、約3カ月半ぶりに連日で100人超の感染が報告されている。また、香港では感染拡大に歯止めがかからず、米国でも感染者数は高止まりしている状況。世界経済回復の足かせになると不安視された。もっとも、相場の先高観が根強いなかで下値は限定的。指数算出するMSCIの内部関係者が「外資の長期で継続的な流入に変化はない」との見方を示したことなどを手がかりに、指数は引け近くまで小高く推移していた。

金融株が下げを主導。招商銀行(600036/SH)が1.5%安、中国人寿保険(601628/SH)が2.2%安、中信建投証券(601066/SH)が2.6%安で引けた。

産金株もさえない。山東黄金(600547/SH)が3.4%安と反落した。足もとの金価格急騰を受け、金融当局と主要行は「投機買い」の抑制に動いている。工商銀行は29日、貴金属連動商品の新規口座開設を31日から停止すると発表した。このほか防衛関連株、空運株、エネルギー株、自動車株の一角なども売られている。

半面、医薬品関連株はしっかり。上海復星医薬集団(600196/SH)が5.6%高、国薬集団薬業(600511/SH)が1.6%高と値を上げた。上海復星医薬集団は上場来高値を連日で更新している。秋からのコロナ再流行に備え、当局は医療体制の整備方針を発表。医薬品備蓄の思惑が高まった。医薬品卸小売の国薬に関しては、同社のグループ企業が開発した新型コロナウイルスワクチンについて、ブラジルで臨床試験を実施する計画を発表したことも材料視されている。ゼネコンやセメントのインフラ関連株、食品飲料株、不動産株の一角も買われた。

一方、外貨建てB株相場はまちまち。上海B株指数が0.01ポイント(0.00%)安の237.59ポイント、深センB株指数が1.64ポイント(0.18%)高の921.11ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 30日の中国本土市場概況:上海総合0.2%安で4日ぶり反落、金融セクター下げ主導