15日の中国本土市場は値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比53.31ポイント(1.56%)安の3361.30ポイントと続落している(上海A株指数は1.56%安の3523.30ポイント)。(亜州リサーチ編集部)


米中対立の激化が不安視される流れ。トランプ米大統領は14日、「香港国家安全維持法」を巡り、関与した中国の当局者や企業、取引関係にある銀行を制裁する「香港自治法案」と、米国が香港に認めてきた優遇措置を廃止する大統領令に署名した。香港自治法の成立を受けて中国外交部は、「必要な措置をとる」と改めて声明している。このところ両国は新型コロナウイルス、ハイテク、国家安全保障など様々な分野で対立を深めている状況だ。

銀行株が下げを主導。中国銀行(601988/SH)が6.5%安、興業銀行(601166/SH)が6.4%安、中信銀行(601998/SH)が5.6%安で取引を終えた。香港自治法の発動で米国がドル資金を締め付けた場合、ドル決済業務に支障が出ると懸念されている。

ハイテク株も急落。スーパーコンピュータ世界大手の曙光信息産業(中科曙光:603019/SH)が8.2%安、LED基盤・チップ中国最大手の三安光電(600703/SH)が7.3%安と値を下げた。英政府が5Gネットワーク構築から中国通信設備メーカーの華為技術(ファーウェイ)を排除すると伝えられるなか、ハイテク産業全般に逆風が吹くと警戒されている。このほか不動産株、自動車株、インフラ関連株、海運株、資源・素材株なども売られた。

半面、医薬品株は急伸。中国大手の上海復星医薬集団(600196/SH)がストップ高、ジェネリック医薬品メーカー大手の江蘇恒瑞医薬(600276/SH)が4.6%高、麻酔剤や中枢神経系薬品の人福医薬集団(600079/SH)が4.4%高、CRO(医薬品開発業務受託機関)で中国トップの薬明康徳(603259/SH)が3.2%高で引けた。江蘇恒瑞医薬と人福医薬集団、薬明康徳はそれぞれ上場来高値を更新している。上海復星医薬集団については、子会社が開発する血液がん治療薬の臨床試験認可が支援材料となった。そのほか、証券株、食品飲料株、空運株も買われている。

一方、外貨建てB株相場は値下がり。上海B株指数が3.57ポイント(1.48%)安の237.74ポイント、深センB株指数が18.05ポイント(1.91%)安の926.72ポイントで終了した。

亜州リサーチ(株)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 15日の中国本土市場概況:上海総合1.6%安で続落、銀行セクター下げ主導