10日の中国本土市場は値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比29.27ポイント(1.04%)安の2796.63ポイントと反落した(上海A株指数は1.04%安の2930.86ポイント)。

中国景気の減速懸念が意識される流れ。朝方公表された3月の中国物価統計では、生産者物価指数(PPI)が前年同月比で1.5%下落したことが明らかにされた。前月実績(マイナス0.3%)と市場予想(マイナス1.1%)をさらに下回ったことで、企業活動の低迷が意識されている。3月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で4.3%上昇したものの、伸び率は前月実績(5.2%)と市場予想(4.8%)をいずれも下回った。9日に約4週ぶりの高値水準を回復しただけに、利益確定売りに押されている。

業種別では電子情報、電子部品の下げが目立つ。コンピューター製品の方正科技集団 (600601/SH)が7.1%安、通信機器の大唐電信科技(600198/SH)が5.2%安、ソフトウエアの中国軟件與技術服務 (600536/SH)が4.7%安で引けた。石油セクターも安い。船舶燃料の上海龍宇燃油(603003/SH)が4.2%低下した。このほか発電設備、自動二輪なども売られた。

半面、家電、醸造は高い。ビールメーカーの重慶ビール(600132/SH)が4.4%、家電メーカーの澳柯瑪(6003362/SH)が5.6%ずつ上昇した。

一方、外貨建てB株相場は値下がり。上海B株指数が2.08ポイント(0.95%)安の217.63ポイント、深センB株指数が10.07ポイント(1.20%)安の828.27ポイントで終了した。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 10日の中国本土市場概況:上海総合1.0%安で反落、物価統計の悪化を嫌気