26日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比79.12ポイント(0.29%)安の26913.92ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が11.51ポイント(0.11%)安の10617.37ポイントとそろって3日ぶりに反落した。売買代金は1330億4800万香港ドルに急増。今年2月26日以来の大商いだった(25日は759億6900万香港ドル)。

香港情勢の不透明感がくすぶる流れ。香港で24日に実施された区議会(地方議会)選挙では、政府に批判的な民主派が圧勝し、全議席の85%を獲得した。普通選挙実現など民主派の要求が強まるとみられているが、香港政府は態度を軟化させないとの見方が優勢だ。香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官は26日の記者会見で、デモ参加者が掲げる「5つの要求」については「すでに回答済み」と発言。民主派に譲歩しない姿勢を示した。

米中通商交渉の長期化懸念も再燃。中国商務部は26日午前、米中の通商交渉担当者が電話会談し、第1段階の合意に向け、詰めの協議を継続することで一致したと発表したが、残された課題のハードルは高いとの観測もある。また、中国共産党機関紙・人民日報系の「環球時報」は26日午後、「米中は関税の引き下げで意見の相違がある」とツイッターの公式アカウントで伝えた。

中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK)が香港メインボードに新規上場。公募価格を6.3%上回る187.00香港ドルで寄り付いた。その後も堅調に推移し、公募価格比6.6%高の187.60香港ドルで取引を終えている。5億株を公開し、概算875億5700万香港ドル(約1兆2165億円)を調達した。現時点で今年最大のIPO(新規株式公開)となる。高値189.50香港ドル、安値187.00香港ドルで推移した。上場初日は出来高が7455万株、売買代金が139億9630万香港ドルに膨らみ、この日の香港市場でトップ。時価総額も4兆121億6000万香港ドルに拡大し、騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)の3兆2057億4000万香港ドルを抜いて香港首位に浮上した。

ハンセン指数の構成銘柄では、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が4.9%安、不動産デベロッパー香港大手の長江実業集団(1113/HK)と豚肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)がそろって2.3%安と下げが目立った。万洲国際に関しては、中国で11月中旬の豚肉価格が上旬と比べ、約13.5%下落したと伝わったことなどが嫌気されている。

業種別では、香港の不動産関連が安い。上記した長江実業集団のほか、九龍倉置業地産投資(1997/HK)が2.1%、新世界発展(17/HK)が1.7%、領展房地産投資信託基金(823/HK)が1.6%ずつ下落した。

中国不動産セクターもさえない。中国金茂HD(817/HK)が2.2%安、中国恒大集団(3333/HK)が2.0%安、中国海外発展(688/HK)と保利置業集団(119/HK)がそろって1.7%安、雅居楽集団HD(3383/HK)が1.6%安、華潤置地(1109/HK)が1.3%安で引けた。

半面、医薬品セクターはしっかり。四環医薬HD集団(460/HK)が3.3%高、三生製薬(1530/HK)が1.7%高、中国生物製薬(1177/HK)が1.4%高と上昇している。

一方、本土市場は小幅に続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.03%高の2907.06ポイントで取引を終えた。ハイテク関連株が高い。医薬品株、自動車株、銀行・保険株、消費関連株の一角も買われた。半面、資源・素材株は安い。不動産株、運輸株、公益株の一角も売られた。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 26日の香港市場概況:ハンセン0.3%安で3日ぶり反落、アリババ公募比6.6%上昇