6日の香港市場は小幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比76.00ポイント(0.26%)高の29037.60ポイントと、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が9.42ポイント(0.08%)高の11592.03ポイントとそろって4日続伸した。売買代金は1145億1500万香港ドルとなっている(5日は1186億5800万香港ドル)。

中国の政策期待で買われる流れ。5日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の「政府活動報告」では、大規模な企業減税や各種産業支援策などの景気刺激策が打ち出された。15日までの開催期間中に合計13回の記者会見が行われる予定で、これから発表される具体的な政策が注目されている。ただ、上値は重い。米中通商交渉を巡る懸念がくすぶっている。米中通商協議に関するTVインタビューに応じ、ポンペオ米国務長官は「協議は進展している」と語りながらも、「トランプ大統領は内容が完璧でなければ、合意することはないだろう」と強調した。

ハンセン指数の構成銘柄では、香港系不動産の九龍倉置業地産投資(1997/HK)が6.3%高、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)と乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)がそろって4.3%高と上げが目立った。九龍倉置業地産投資は5日、2018年通期決算が5%増益だったと報告。ブローカー各社が同社株の見通しを相次いで引き上げるなか、見直し買いが入っている(前日は小幅安)。

業種別では、食品・飲料、小売の消費関連が高い。上記した万洲国際と中国蒙牛乳業のほか、中国雨潤食品集団(1068/HK)が13.3%、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が3.2%、統一企業中国HD(220/HK)が2.1%、国美零售HD(493/HK)が4.2%、百盛商業集団(パークソン・リテール:3368/HK)が1.4%ずつ上昇した。前述した政府活動報告では、内需の拡大を図るため、改正「個人所得税法」を着実に実施し、減税対象の納税者約8000万人が恩恵を充分に受けられるようにするという方針が示されている。

自動車セクターもしっかり。広州汽車集団(2238/HK)が2.9%高、吉利汽車HD(175/HK)が2.7%高、華晨中国汽車HD(1114/HK)が2.3%高、北京汽車(1958/HK)が1.6%高、長城汽車(2333/HK)が1.5%高と値を上げた。政府活動報告の景気対策では、自動車産業にとってメリットが大きいとの見方が流れている。

スマートフォンや第5世代(5G)ネットワークの関連銘柄も物色される。小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が3.8%高、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が2.8%高、通信設備の京信通信系統HD(2342/HK)が4.3%高、中興通訊(ZTE:763/HK)が3.0%高、基地局運営の中国鉄塔(788/HK)が2.2%高で引けた。
他の個別株動向では、白物家電大手の海信家電集団(ハイセンス・ホーム・アプライアンシズ・グループ:921/HK)が22.6%高と急伸。同社は5日引け後、日立製作所(6501/東証1部)との合弁会社で、業務用エアコン事業の青島海信日立空調系統有限公司(海信日立)に追加出資し、連結対象に組み入れると発表した。業容拡大が意識されている。

一方、本土市場は4日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比1.57%高の3102.10ポイントで取引を終えた。保険株と証券株が急伸。ハイテク株、インフラ関連株、素材株、消費関連株、自動車株、公益株、医薬品株なども買われた。

【亜州IR】



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情報提供元: FISCO
記事名:「 6日の香港市場概況:ハンセン0.3%高で4日続伸、政策期待で消費セクターに買い