クリスマス連休明け27日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比172.50ポイント(0.67%)安の25478.88ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が71.88ポイント(0.71%)安の9991.06ポイントとそろって続落した。終値ベースで1万ポイント割れは2カ月半ぶり。売買代金は561億9700万香港ドルとなっている(半日立ち合いの24日は346億7900万香港ドル)。

中国経済の成長鈍化を懸念。この日公表された全国工業企業の11月利益総額は、前年同月比で1.8%減となり、約3年ぶりにマイナス成長まで落ち込んだ。米中関係の悪化も警戒。中国の通信設備メーカー大手の華為技術(Huawei)と中興通訊(ZTE:763/HK)に対し、米国は締め出しを強化するもよう——などと外電が27日、消息筋情報として伝えた。ZTE株は後場から下落し、3.4%安で取引を終えている。香港の各指数は昨夜の米株が急反発したことを手がかりに小高く推移していたものの、後場に入り売り優勢に転じた。

ハンセン指数の構成銘柄では、中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)が8.3%安、石油・化学大手の中国石油化工(サイノペック:386/HK)が4.7%安、医薬品メーカーの石薬集団(1093/HK)が3.6%安と下げが目立った。中国石油化工に関しては、「傘下企業の役員2人が業務上の理由で停職処分を受けた」と報じられたこともネガティブ。巨額損失を計上した責任を問われた——とするうわさが流れている。

業種別では、中国の医薬が安い。上記した石薬集団のほか、広州白雲山医薬集団(874/HK)が4.1%、中国生物製薬(1177/HK)が2.9%、四環医薬HD集団(460/HK)と中国神威薬業集団(2877/HK)がそろって2.2%ずつ値を下げた。

中国の自動車セクターも売られる。比亜迪(BYD:1211/HK)が4.3%安、広州汽車集団(2238/HK)が3.7%安、華晨中国汽車HD(1114/HK)が3.5%安、吉利汽車HD(175/HK)が3.2%安、北京汽車(BAICモーター:1958/HK)が1.7%安、長城汽車(2333/HK)が1.6%安で引けた。

中国の不動産セクターもさえない。中国恒大集団(3333/HK)が2.3%安、碧桂園HD(2007/HK)が1.8%安、雅居楽集団HD(3383/HK)が1.5%安と下落した。

本土市場は3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.61%安の2483.09ポイントで取引を終えた。エネルギー関連やハイテク関連の一角が安い。医薬株、インフラ関連株、素材株、不動産株の一角も売られた。半面、第5世代(5G)ネットワークの関連銘柄は物色される。銀行株、食品・飲料株、公益株の一角も上昇した。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 27日の香港市場概況:ハンセン0.7%安で続落、中国銘柄の下げ目立つ