中国消費の堅調を背景に、過度な景気減速懸念が薄らぐ。オンライン通販の一大商戦日に当たる11日の「独身の日(シングルデー)」では、イベントを主催した中国の電子商取引(EC)最大手、阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング:BABA/NYSE)の総取引高が過去最高を記録した。ただ、上値は限定的。決算発表は週内に控えた騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が売られ、指数はマイナス圏で推移する場面もみられた。

ハンセン指数の構成銘柄では、中国政府系の華潤電力HD(836/HK)が5.6%高と急伸。石炭輸送業界の幹部が「2019年は燃料炭の供給が増える一方、需要は縮小する」との見通しを示したことが材料視された。指数構成以外の発電株も軒並み買われている。薬品株、不動産株の一角なども値上がりした。

業種別では、ゼネコンや建材などインフラ関連がしっかり。中国鉄建(1186/HK)が1.9%高、中国交通建設(1800/HK)が1.7%高、中国中鉄(390/HK)が1.4%高、中国建築国際集団(3311/HK)が0.7%高、北京金隅集団(BBMG:2009/HK)が4.0%高、安徽海螺セメント(安徽コンチセメント:914/HK)が1.9%高、中国建材(3323/HK)が1.1%高と上昇した。ビル建築や建設プロジェクト管理の中国建築国際集団については、足元の新規受注が好調に推移していることが好感されている。

半面、ネットサービス中国最大手のテンセントは3.1%安とさえない。同社は今週14日に、四半期業績を報告する予定だ。そのほか、自動車大手の東風汽車集団(489/HK)が2.2%安と続落。今年10月の新車販売台数をが前年同月比で14.6%減に落ち込み、5カ月連続でマイナス成長を強いられたことが嫌気された。中国の自動車販売を巡っては、国家発展改革委員会の幹部が先ごろ、2018年自動車販売の前年実績割れ可能性に言及している。

一方、本土市場は6日ぶり反発。主要指標の上海総合指数は、前営業日比1.22%高の2630.52ポイントで取引を終えた。消費関連株が高い。運輸株や発電株、ハイテク株、不動産株、医薬株、インフラ関連株、証券株なども買われた。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 12日の香港市場概況:ハンセン0.1%高で反発、華潤電力が5.6%上昇