23日の香港市場は値下がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比806.60ポイント(3.08%)安の25346.55ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は255.77ポイント(2.44%)安の10234.90ポイントとそろって3日ぶりに反落した。ハンセンは前日の急伸(2.32%)分を吐き出し、それ以上に下げている。売買代金は971億7900万香港ドルにやや縮小した(22日の売買代金は1144億4100万香港ドル)。

外部環境の不透明感が嫌気された。イタリアの財政問題や、米国とサウジアラビアの関係悪化などを警戒し、昨夜のNYダウは下落している。時間外取引のダウ先物安や、この日の本土株安をにらみながら、香港の各指数は下げ幅を徐々に広げた。

ハンセン指数の構成銘柄はほぼ全面安(50のうち49が下落)。マカオ・カジノの銀河娯楽集団(27/HK)が7.9%安、中国政府系デベロッパーの華潤置地(1109/HK)が6.6%安、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が6.5%安、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が5.8%安と値下がり率上位に並んだ。カジノ株に関しては、VIP客の売り上げ減少が売り材料視されている。今年第3四半期(7~9月)のVIP客売り上げは前年同期比3.6%増にとどまり、前四半期比ではマイナス成長となった。23日午前中に、珠海(広東省)、香港、マカオを結ぶ「港珠澳大橋」の開通式典が開催されたが(開通はあす24日)、特段の買い材料とはなっていない。

業種別では、中国の保険・証券がさえない。衆安在線財産保険(6060/HK)が9.5%安、中国人民保険集団(1339/HK)が3.5%安、広発証券(1776/HK)が4.0%安、海通証券(6837/HK)が3.3%安で引けた。

中国の自動車セクターも売られる。北京汽車(BAICモーター:1958/HK)が9.1%安、華晨中国汽車HD(1114/HK)が5.9%安、長城汽車(2333/HK)が4.8%安、比亜迪(BYD:1211/HK)が3.7%安、広州汽車集団(2238/HK)が3.4%安と値を下げた。


他の個別株動向では、携帯通信キャリア中国最大手の中国移動(チャイナ・モバイル:941/HK)が3.9%安と続落。同社が22日引け後に公表した今年1~9月期の業績で、純利益が3%増と伸び悩んだことが嫌気された。0.3%減の減収を余儀なくされている。

本土市場は3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比2.26%安の2594.83ポイントで取引を終えた。金融株が下げを主導する。消費関連株、資源・素材株、ハイテク株、医薬株、インフラ関連株、不動産株など全セクターが売られた。ただ、23日の急伸(4.09%)分を吐き出してはいない。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 23日の香港市場概況:ハンセン3.1%安で3日ぶり反落、カジノの銀河娯楽は7.9%安