週明け11日の中国本土市場は値下がり。主要指標の上海総合指数は、前営業日比14.36ポイント(0.47%)安の3052.78ポイントと3日続落した。上海A株指数も下落し、15.04ポイント(0.47%)安の3197.33ポイントで取引を終えている。

米保護主義の高まりを嫌気。8~9日に開催された主要7カ国(G7)首脳会議を巡っては、「反保護主義」を採択して閉幕したものの、その後にトランプ大統領は「首脳宣言を承認しない」と表明している。中国は対米の貿易黒字が拡大していることもあり、貿易摩擦の激化が一段と不安視される状況だ。

エネルギー関連株が下げを主導。中国石油化工(600028/SH)が2.5%安、中国石油天然気(601857/SH)が1.8%安、エン州煤業(600188/SH)が2.0%安で引けた。原油相場の先安感が逆風。「主要産油国のサウジアラビアとロシアに、減産緩和の兆しがある」との観測が流れている。海運株、インフラ関連株、発電株、食品・飲料株なども売られた。

医薬株も急落。薬明康徳(603259/SH)が8.7%、江蘇恒瑞医薬(600276/SH)が3.9%ずつ下落した。CRO(医薬品開発業務受託機関)で中国トップの薬明康徳は5月8日に新規上場(発行価格21.60人民元)し、今月初めには株価が130人民元を突破。急ピッチな上昇に対し、利食い売りが広がった格好だ(本日終値は108.12人民元)。また、江蘇恒瑞医薬は先週6日、上場来高値を付けている。

半面、先週末に軟調だった不動産株はしっかり。保利地産(600048/SH)が4.2%上昇した。時価総額上位の銀行株や保険株、非鉄や鉄鋼、セメントの素材株、自動車株なども総じて値上がりしている。新規株式公開(IPO)が活発化するなか、証券株も物色された。

他の個別株動向では、先週末8日に新規上場した台湾・鴻海精密工業(ホンハイ:2317/TW)系の富士康工業互聯網(601138/SH)が2日続けて値幅制限いっぱいまで上昇した。そのほか、車載用動力バッテリー販売で世界トップの寧徳時代新能源科技(CATL:300750/SZ)が本日、深セン創業板に新規上場し、ストップ高に張り付いている。CATLの時価総額は707億人民元(約1兆2100億円)に達し、創業板で2番目の大きさに膨らんだ。

一方、外貨建てB株の相場は値下がり。上海B株指数が1.66ポイント(0.54%)安の306.96ポイント、深センB株指数が2.51ポイント(0.22%)安の1120.26ポイントで終了した。

【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 11日の中国本土市場概況:上海総合0.5%安で3日続落、新規公開株は急伸