週明け21日の香港市場はまちまち。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比186.44ポイント(0.60%)高の31234.35ポイントと続伸する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は5.52ポイント(0.04%)安の12349.61ポイントと小反落した。売買代金は959億4500万香港ドルとなっている(18日の売買代金は935億5600万香港ドル)。

米中貿易摩擦の警戒感が薄れる流れ。米国政府と中国政府は19日、ワシントンで行われた2国間通商協議(17~18日)に基づき、貿易戦争を起こさないことを誓う共同声明を発表している。声明には「中国が米製品の購入を拡大する」ことなどが盛り込まれた。また、協議に出席したムニューシン米財務長官は、「トランプ政権は中国製品に対する追加関税を当面保留する」とコメントしている。ただ、上値は重い。指数は引けにかけ上げ幅を縮小させている(本土株指数は小幅安)。

ハンセン指数の構成銘柄では、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が4.9%高、小型電子部品メーカー大手の瑞声科技HD(AACテクノロジーズ・ホールディングス:2018/HK)が4.7%高、政府系港湾大手の招商局港口HD(144/HK)が3.3%高と上げが目立った。

海運セクターも高い。中遠海運能源運輸(1138/HK)が8.9%、中遠海運HD(1919/HK)が5.1%、中外運航運(368/HK)が2.9%、太平洋航運集団(2343/HK)が2.0%ずつ値を上げた。

天然ガス関連セクターもしっかり。中国燃気HD(中国ガス:384/HK)が8.5%、昆侖能源(クンルン・エナジー:135/HK)が3.6%、新奥燃気HD(新奥ガス:2688/HK)が3.5%ずつ上昇した。中国は米国から天然ガスの輸入を増やす——との見方が強まっている。

半面、石炭セクターはさえない。中国神華能源(1088/HK)が4.1%安、エン州煤業(1171/HK)が2.5%安、中国中煤能源(1898/HK)が1.9%安と値を下げた。4月以降、上昇基調にある燃料炭相場に関し、国家発展改革員会の担当者が「合理的な水準に引き下げる措置をとる」との見解を示したことが嫌気されている。

本土市場は続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.64%高の3213.84ポイントで取引を終えた。海運・港湾株が急伸し、ITハイテク関連株も高い。自動車株や不動産株、インフラ関連株なども上昇した。

なお香港市場はあす(22日)、仏誕節のため休場となる(23日から取引再開)。


【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 21日の香港市場概況:ハンセン0.6%高で続伸、米中貿易戦争の懸念薄らぐ