15日の香港市場は小幅に値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比106.09ポイント(0.34%)高の31541.10ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が35.32ポイント(0.28%)高の12719.84ポイントとそろって反発した。売買代金は1107億香港ドルにやや拡大している(14日売買代金は1032億1900万香港ドル)。

中国景気の底堅さが改めて意識される流れ。14日公表された今年1~2月の経済統計では、鉱工業生産額や固定資産投資などが事前予想を上回っている。なかでも鉱工業生産額は前年同期比で7.2%増加し、昨年6月以来の高い伸びを示した。企業業績に対する期待感も強まる。上場企業の決算発表が後半戦に突入するなか、これまでに報告された各社の業績は増益や黒字転換など好調なものが多い。米中の貿易摩擦に対する警戒感で売りが先行したものの、指数は中盤からプラスに転じた。

ハンセン指数の構成銘柄では、不動産デベロッパー大手の碧桂園HD(2007/HK)が3.9%高、保険事業で中国2位の中国平安保険(2318/HK)が3.4%高、ブタ肉生産で世界トップの万洲国際(WHグループ:288/HK)が2.9%高と上げが目立っている。中国平安保険に関しては、傘下4子会社(平安人寿保険、平安財産保険、平安養老保険、平安健康保険)の今年1~2月収入保険料が前年同期比で19.9%拡大したこともプラス材料だ。

バイオ医薬セクターも物色される。バイオ医薬品会社の薬明生物技術(2269/HK)が6.5%高、抗生物質・ビタミンC生産の石薬集団(1093/HK)が3.3%高、中医薬を中核とする薬品メーカーの広州白雲山医薬集団(874/HK)が3.1%高、医薬品・医療品メーカーの康哲薬業HD(867/HK)が2.5%高、バイオ製薬・中医薬メーカーの中国生物製薬(1177/HK)が1.8%高で引けた。

他の個別株同行では、香港を基盤とする航空大手の国泰航空(キャセイ航空:293/HK)が4.6%高。業績改善の期待が強まっている。同社が前日に公表した17年通期決算では、赤字額が前年比で拡大したものの、下期ベースでは黒字を確保した。

一方、中国自動車セクターはさえない。北京汽車(BAICモーター:1958/HK)と東風汽車集団(489/HK)がそろって2.0%安、広州汽車集団(2238/HK)と比亜迪(BYD:1211/HK)がそろって1.0%安と値を下げた。

本土市場は小幅ながら3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.01%安の3291.11ポイントで取引を終えた。鉄鋼やセメントの素材株がさえない。ITハイテク関連株、自動車株、不動産株、空運株なども売られた。半面、消費関連株はしっかり。銀行株や保険株、バイオ医薬関連株、非鉄株の一角も上昇した。

【亜州IR】






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情報提供元: FISCO
記事名:「 15日の香港市場概況:ハンセン0.3%高で反発、中国景気の底堅さが意識される