9日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比311.12ポイント(1.27%)高の24889.03ポイント、本土企業株で構成されるH株指数が146.57ポイント(1.47%)高の10128.99ポイントとそろって続伸した。売買代金は710億4700万香港ドルにやや拡大している(8日は667億1400万香港ドル)。

中国の政策期待で買われる展開。「国有企業改革」の一環として、中国政府が電力業界の大型再編を検討しているなどと報じられた。外電が8日、消息筋情報として伝えたところによれば、火力、原子力を手がける国有グループ8社を3社に統合する計画という。

海外動向の安定も追い風。昨夜の米株市場では、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が連日で史上最高値を更新した。米株市場の不安心理を表すVIX指数(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は8日、前日比マイナス7.6%の9.77ポイントに低下。23年4カ月ぶりの低い水準となるなか、投資家のリスク許容度も高まっている。取引時間中にスタートした欧州株市場で主要指標が軒並み上昇するなか、香港の各指数も引けにかけて上げ幅を広げた。指数構成銘柄はほぼ全面高となっている。

業種別では、中国の発電セクターが高い。従来型発電が主力の大唐国際発電(991/HK)が15.6%、華電国際電力(1071/HK)が7.3%、華能国際電力(902/HK)が6.7%、中国電力国際発展(2380/HK)が2.4%、原子力発電の中国広核電力(CGNパワー:1816/HK)も2.6%ずつ値を上げた。

中国空運セクターもしっかり。中国東方航空(670/HK)が4.3%高、中国国際航空(753/HK)が3.9%高、中国南方航空(1055/HK)が3.8%高と買われた。発電業界と同様に、航空業界でも再編の思惑がくすぶっている。

国家プロジェクト「雄安新区」の関連銘柄も上げが目立つ。最大の恩恵があると予測される建築材料大手の北京金隅(BBMG:2009/HK)は4.7%上昇した。京津冀(けいしんき:北京、天津、河北)エリアで事業展開する天津市政府系インフラ事業者の天津創業環保(1065/HK)が3.1%高、天津市政府系コングロマリットの天津発展HD(882/HK)が2.3%高と上昇している。

他の個別株動向では、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)は2.5%高の250.80香港ドルと大幅続伸。上場来高値を更新した。

本土市場は6日ぶり小反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.06%高の3080.53ポイントで取引を終えた。発電株が急伸。「雄安新区」関連銘柄も上昇した。半面、自動車株はさえない。


【亜州IR】




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情報提供元: FISCO
記事名:「 9日の香港市場概況:ハンセン1.3%高と続伸、中国発電セクター急騰