8日の香港市場は値上がり。主要50銘柄で構成されるハンセン指数が前日比101.20ポイント(0.43%)高の23782.27ポイント、本土企業株で構成されるH株指数が50.63ポイント(0.49%)高の10280.31ポイントとそろって3日続伸した。売買代金は689億9500万香港ドルとやや増加している(7日は626億6900万香港ドル)。

米中の景気期待が支え。米国では各種の経済指標が改善し、景気見通しが一段と上向いている。中国では、5日開幕した全国人民代表大会(全人代)の「政府活動報告」で、李克強首相が2017年の経済成長率目標について、大方の予想通り「6.5%前後」にすると発表。16年目標からは下方修正されたものの、主要国と比較した場合、依然として高い水準に設定する方針が明らかにされた。また発言では、「実際の取り組みの中で、より良い結果を目指す」と付け加えられている。昨夜の米株安などを嫌気して小安くスタートしたものの、下値は固く、買いが徐々に優勢となった。

なお、取引時間中に今年2月の貿易統計(人民元ベース)が公表され、貿易収支は予想外の赤字に転落したものの、市場の反応は限定的だった。輸出は前年同月比で4.2%増にとどまり、予想(14.6%増)を大きく下回る半面、輸入は44.7%増と上振れている(予想は23.1%増)。

業種別では、景気動向に敏感な海運セクターの上げが目立つ。中遠海運HD(1919/HK)が5.3%高、中外運航運(サイノトランス・シッピング:368/HK)が3.8%高、太平洋航運集団(2343/HK)が3.2%高で引けた。業界景気の回復が期待されている。海上運賃の国際指標になるバルチック海運指数は今月に入り上げ足を速め(前日まで5日続伸)、足元では約3カ月ぶりの高い水準を回復した。鉄鉱石など商品価格の上昇を背景に、海運運賃の先高観が強まっている。

本土系の不動産セクターも急伸。雅居楽集団HD(3383/HK)が6.7%高、碧桂園HD(2007/HK)が5.3%高、広州富力地産(2777/HK)が5.0%高、万科企業(2202/HK)が3.6%高、中国海外発展(688/HK)が2.7%高とそろって続伸した。直近の各社販売動向が概ね良好だったことが引き続き材料視されている。「不動産税」の導入が先延ばしになるとの見方もプラス材料だ。


【亜州IR】





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情報提供元: FISCO
記事名:「 8日の香港市場概況:ハンセン0.4%高と3日続伸、海運セクターの上げ目立つ