さらに、同社は、既存の通信分野でもAIを組み込んでいく。現状、NVIDIAとのパートナーシップを通じて、「AI-RAN(Artificial Intelligence Radio Access Network)」の開発を加速させている。「AI-RAN」は、AIアプリケーションと無線アクセスネットワーク(RAN)を同じコンピューター基盤の上に統合する新しいアーキテクチャとなる。「AI-RAN」の強みは、RANをソフトウエア化し、AIによる予測モデルとリアルタイムのデータ分析を組み合わせることで通信パフォーマンスの向上を実現する点にある。AIがネットワークトラフィックのパターンを学習・予測し、無線技術のさまざまな処理で最適化を行うことで通信効率を大幅に引き上げ、混雑時や移動時におけるエンドユーザーの通信体験を向上させる。つまり、AIをネットワークに組み込み、通信性能を限界まで引き出すことで、電力消費の効率化やサーバーの空き容量をAIに推論用に貸し出す等の収益源の多角化が進む。「AI-RAN」は競合他社が取り組んでいない領域であり、同社は通信領域の持続的な成長も着実に行っている。