a) 製粉カテゴリ 小麦粉については、年に2度改定される輸入小麦の政府売渡価格に運賃や人件費等コストを反映して適正価格の維持に注力する。政府売渡価格引き下げに伴い、2025年7月には汎用品となる業務用小麦粉を、8月には家庭用小麦粉を値下げすることで販売数量を確保する。一方家庭用パスタについては市場需要とサプライチェーンコストを加味して値上げに踏み切っており、売上高と利益への貢献に期待する。伸び悩むプレミックスについては、「食品ヒット大賞」を受賞し売上が伸びている「もう揚げない」シリーズのプロモーションにより、新たな販路を拡大する。また、同様の付加価値商品等の商品開発を進めラインナップを拡充し収益の回復を目指す。CVS向け焼成パンについては、連結子会社の4ベーカリーが製造・販売しており、定番商品のブラッシュアップを継続することで、トレンドを踏まえた新商品を定期的に投入する。品質維持や在庫管理に最新の注意を払い、食品ロスを削減することでコスト管理を徹底し、収益性を向上させる。
b) 製油カテゴリ 油脂原料のボラティリティを吸収するため、半流動性油脂、こめ油、コーン油の領域で付加価値商品の開発に注力する。(一社)日本カレーパン協会に認定された半流動性油脂「Sベーカリーオイル」は、特にテイクアウト時の食感や品質維持に効果を発揮する顧客課題解決型商品である。引き続き他の領域でも、顧客ニーズを捉えてアイディアを相乗した新たな商品開発を目指す。こめ油については、ビタミンEが豊富な栄養機能食品の「健康こめ油」を展開している。今後も子会社のボーソー油脂(株)を起点に米の特性を活かした技術開発でこめ油の機能や付加価値を追求し、プレミアムオイルの開発を進める。コーン油については、2023年5月に実施した業界リーディングカンパニー辻製油(株)との資本業務提携により参入した新領域で、機能性を追求した新商品開発のほか、構築したコーンサプライチェーンにより原料調達の連携や生産設備物流ネットワークの共同活用で市場競争力を高めるほか、収益性の向上が期待できる。なお、「中期経営計画23-25」では、最終年度のこめ油やコーン油を含む機能性油脂の比率を2020年3月期の25%から35%に引き上げる計画である。
c) 糖質カテゴリ 子会社のサンエイ糖化、敷島スターチと協業し、差別化カテゴリの販売強化、独自性のある機能性商品の販売拡大に注力する。特に、サンエイ糖化が取り扱う国内有数の規模である乳酸菌培養事業や、前述したオリゴ糖としては初の「骨密度維持」機能を謳った機能性表示製品である「マルトビオン酸」など、少子高齢化、健康志向のニーズに応えた新事業、新製品開発を更に推し進め、当社グループの強みである多様な販売チャネルを活かし、事業拡大を図っていく。また、高操業、安定操業による工場稼働率向上によりコスト削減にも取り組む。加えて、サンエイ糖化の実績に裏付けられた研究開発力を活かし、市場需要を精査して医薬品原料や食品素材等の新たな領域へ進出する計画である。