総務省「令和6年版情報通信白書」によれば、日本のパブリッククラウドサービス市場は今後も拡大が続く見込みである。成長率はやや緩やかになるものの、2028年まで堅調に市場規模が拡大すると予測されており、クラウド活用の高度化が進展している。なかでも、PaaS(Platform as a Service)やIaaS(Infrastructure as a Service)市場においては、大手クラウドベンダーの寡占傾向が強まっている。特にAWS(Amazon Web Services)は、PaaS/IaaS利用企業の半数以上が利用しており、1年間で10ポイント以上のシェア増を示すなど、圧倒的な存在感を示している。また、Microsoft AzureやGoogle Cloud Platform(GCP)も高いシェアを維持しており、企業のクラウド基盤の選定においてはこれらの主要プレイヤーが中核を担っている。このような市場動向は、クラウド導入支援やアプリケーション開発支援を行う事業者にとって、引き続き大きなビジネスチャンスが存在することを示している。一方で、技術的対応力や大手ベンダーとの連携、専門人材の確保が差別化の鍵となる。