主軸の「カメラ事業」がEC及び店舗売上ともに順調に拡大し、業績全体の伸びをけん引した。女性や若年層など市場の広がりが進むなかで、AI活用によるOne to Oneマーケティングや動画配信を中心とするコンテンツの充実が奏功したほか、人気機種の後継機の発売も追い風となった。一方、「時計事業」は7月まで好調であったものの、8月以降は円高基調に伴うインバウンド減少の影響などを受けて軟調に転じた。
3. グローバル展開 越境ECについては、これまでカメラ事業において2017年8月に「Map Camera」にて世界最大級のオンライン・マーケットプレイス「eBay」へ出店したほか、時計事業においては「GMT」が2019年5月に世界最大級の高級腕時計マーケットプレイス「Chrono24」、2020年7月には「eBay」にそれぞれ出店すると、2022年には海外向け販売サポートサービス「Buyee Connect」※1を導入し、事業拡大に向けた体制を着実に整えてきた。サービスの質を重視した展開が奏功し、海外において同社のブランドが広く認知されつつある。特に「Map Camera」については、「eBay Japan Awards 2023」※2にて販売実績などの総合的評価トップのセラーに贈られる「Seller of the Year」を2年連続で獲得した。これらの取り組みを通じて、越境ECは着々と売上高を伸ばしており、2025年3月期に入ってからも第1四半期は過去最高水準(四半期ベース)を更新した。8月以降の円高基調の影響を受けブレーキがかかったものの、上期の越境EC売上高は前年同期比12.9%増の17,355百万円に拡大した。