3. 同社の強み 同社の強みは、まず「Made in Nippon」を掲げ、国内外の市場で日本製品の高品質を維持しつつ、世界中の技術を取り入れることで高度な製造体制を確立している点にある。この取り組みは、基礎研究から製品開発、製造、販売までを一貫して自社で行う同社ならではのものであり、様々な分野の専門知識を持つ社員が連携しながら、品質向上と効率的な生産を実現している。また、同社は製品に応じて、1枚ずつ丁寧に作りあげる「レースカット製法」と大量生産に適した「キャストモールド製法」を使い分け、各製品に最適な製造方法を採用することで、安定した高品質の製品供給を可能にしている。特に現場力を重視し、徹底した教育やQC活動を通じて生産現場での技術開発を促進している点が、効率化や品質改善に大きく寄与している。さらに、製造設備のネットワーク化やIoT導入により、リアルタイムでの製造状況の把握や不具合への迅速な対応が可能となり、設備の稼働率向上やトレーサビリティ確保に貢献している。研究開発においては、様々な分野の専門家が集結し、化学系や生物系、工学系、光学系などの幅広い知識を活用しながら新素材や製品の開発に取り組んでいる。また、国内外の企業や大学、研究機関とのオープンイノベーションを積極的に推進し、革新的な製品を開発する基盤を築いている。特に医療機器メーカーとして、虹彩欠損症や角膜白斑の患者向けの虹彩付きソフトコンタクトレンズなど、医療的ニーズに応える製品の開発に注力しており、これにより多くの顧客のQOL向上に貢献している。さらに、同社は国内市場にとどまらず、少子高齢化や人口減少に対応するため、ASEANや欧州などの海外市場に積極的に進出しており、各国の特性に合わせた製品提供を行っている。2011年に海外展開を開始し、2024年には50以上の国と地域に販路を拡大しており、今後も積極的な世界展開を進めていく姿勢を示している。このように、同社は国内外での成長を持続的に図りつつ、高品質な製品の提供と技術革新を両立させることで、コンタクトレンズ業界において競争力を維持し続けている。