1. 会社概要 同社は、「心地よい未来を、データとつくる。」というミッションの下、リアル行動データとAIを活用し、リアル空間を見える化することによってマーケティングや街づくりの領域でソリューションを提供している。中国・北米・日本で特許を取得しているリアル行動ビッグデータプラットフォーム「Beacon Bank」を通じて特定の個人を識別しない人流データを蓄積し、「分析・可視化」「行動変容」「One to One」という3つのサービスを顧客に提供している。人流データは、ユーザーがビーコン電波範囲に入った際に位置情報を取得するBluetoothビーコン(Bluetoothの電波を発信する小さな端末)と、ユーザーの断続的な位置情報を取得するGPSにより位置情報データを取得することで蓄積される。具体的には、同社の「Beacon Bank SDK(ソフトウェア開発キット:ソフトウェアやWebサービスの開発に必要なプログラム、API、仕様書などをパッケージ化したもの)」を組み込んだスマートフォンアプリを介して取得した位置情報データが、リアル行動データプラットフォームである「Beacon Bank」に蓄積され、同社独自開発のAI群によって解析される仕組みだ。
同社が分析対象としているデータは膨大であり、4.2億IDのアプリユーザー(約120以上のアプリが同社の「Beacon Bank SDK」を搭載している)と217万ヶ所のビーコンにより取得する月間840億件以上のログを解析している。こうして膨大かつ網羅的な人流データを分析できることも同社サービスの競争優位の1つだ。併せて、同社はプライバシー対応も実践している。SDKを組み込んだアプリで情報を取得する際はユーザーの事前許諾を得ること、ユーザーがデータ許諾を拒否する方法を明示することなどを徹底し、透明性の高い情報の収集・蓄積を可能にしている。さらに、情報の分析の際にも統計処理の方法を工夫し、情報の蓄積・分析を行っている。特定の個人を識別する可能性を排除するために統計データ化や少数サンプルの秘匿処理などを実践し、安全性向上に注力している。