米国では交通事故や労働災害、銃創などによる外傷で死亡するケースが多く、同社決算説明資料によれば、45歳未満の死亡原因の第1位、全死亡原因の第3位、QOL(Quality of life)を低下させる原因の第1位となっている。年間死亡者数は22万人で、うち一般外傷が55%、薬物による影響下での外傷もしくは急性中毒が45%を占めている。外傷に起因する全身性炎症反応症候群を発症した場合、初めは体を防御する目的であっても、調節不可能なサイトカインストームとなり、大規模な炎症カスケードを引き起こし、腎不全などの臓器障害になることで死に至る。現在、こうした状況に至った患者に対する有効な治療薬はなく、それぞれの症状に応じて対処療法を行うのみとなっている。HLCM051を投与することで、サイトカインストームを抑え込み、患者の予後に効果があるものと期待されている。