a) クラウドインテグレーション事業 クラウドインテグレーション事業については、対応領域の拡大と既存事業の伸張に注力することで受注拡大を図るとともに、リセールによるストック型収益を積み上げることで収益の安定基盤を強化する戦略だ。3年間の年平均成長率は20%台前半を見込んでいると見られ、2024年6月期比で2倍弱の売上成長を目指しているようだ。
対応領域の拡大では、AI関連や海外の新サービスをいち早く日本市場に導入すべく投資を強化する。AI関連については、2023年5月よりMicrosoft Azure上でChatGPT等のAIサービスを利用できる「Azure OpenAI Service」の導入支援サービスを開始したのを皮切りに、同年10月にはAWSが提供する「Amazon Bedrock」※1の導入支援サービス並びに同社が開発した企業内AIアシスタントチャットシステム「Smart Generative Chat」のAmazon Bedrock対応版「Smart Generative Chat for Amazon Bedrock」、2024年1月にはGoogle CloudのAI技術を活用した「生成AI導入支援サービス for Google Cloud」※2並びに「小売業向けDiscovery AI導入支援サービス for Google Cloud」※3の提供を相次いで開始した。直近では2024年5月にRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の世界的リーダーであるAutomation Anywhere社が提供するRPAプラットフォーム「Automation360」を手軽に利用して業務プロセス自動化を実現できるBPOサービス「Automation 360 Managed Service」の提供を開始した。業務効率の向上やサービスの付加価値向上を目的にAI技術の導入を進める企業は2024年以降、本格的に拡大すると予想され、クラウド基盤の構築から利用支援サービスまで一括して提供できる強みを生かして事業拡大を図る。
b) システムインテグレーション事業 システムインテグレーション事業では、主力のERP関連やデータベース関連、RPA関連などを中心に着実に技術者の採用・育成を進めながら、顧客企業と密接な関係を構築し既存顧客のプロジェクト拡大や継続受注を図り、年率1ケタ台の売上成長を目指しているようだ。また、クラウドインテグレーション事業をはじめとした他事業の顧客に対しても、アプリケーション開発等の多様なサービスを提案し、受注獲得につなげる。利益面では、品質・期間・コスト・リスクコントロールの観点でプロジェクトマネジメントを強化することで、不採算案件の発生リスク低減とサービス品質の向上を図り収益性の維持向上に取り組む。