ジェイ・エス・ビー<3480>は、Japan Students Bureau(日本学生公社)の頭文字であり、主に学生を対象としたマンション(以下、学生マンション)の企画・賃貸・管理を行い、全国に展開する学生マンションの物件管理戸数95,000戸弱を誇る業界トップ企業である。成長性が高い不動産賃貸管理事業に経営資源を集中投下することで、年々物件管理戸数を増やしながら、100%近い入居率を維持している。同社は「豊かな生活空間の創造」を経営理念に成長を続け、2022年4月には東京証券取引所(以下、東証)プライム市場に移行した。中期経営計画(2024年10月期~2026年10月期)の推進により、2030年長期ビジョンの達成に向けてさらなる進化と成長を目指している。
3. 中期経営計画 2030年長期ビジョン「Grow Together 2030」実現の第1ステージである前中期経営計画「GT01」(2021年10月期~2023年10月期)では、業績目標を大幅に超過達成して着地し、各施策も予定どおり、あるいは予定を上回る進捗であった。第2ステージとして中期経営計画「GT02」(2024年10月期~2026年10月期)では、2026年10月期に売上高78,813百万円(年平均成長率7.3%)、営業利益8,727百万円(同6.7%)を掲げる。また、ROE15%以上、自己資本比率40%以上、物件管理戸数104,000戸、投資総額約300億円などを目標としている。これらの目標達成のために、不動産賃貸管理事業の成長を図るだけでなく、若者成長支援サービス事業モデルの確立など新規事業にも取り組む。さらに、ESG環境・社会・ガバナンス、SDGsへの取り組みも戦略に組み込む。なお、2027年10月期からの第3ステージ「GT03」での飛躍的成長を目指して、現中期経営計画では業務改革や組織改革への投資を先行させるために、これまでの実績に比べて慎重な増益率を想定している。2024年10月期第2四半期決算は目標数値に沿った順調な立ち上がりであったが、今後も中期経営計画の進捗状況に注目したい。