またDXの推進では、IINO DXタスクフォースを組織変更し、2023年6月にDX推進部を設置した。専任者を配置した独立した組織として社内外関係先と連携しながらDX推進を行い、船舶・ビル管理の品質向上(安全・安心の提供)、ESG推進サポート、競争力強化のための事業変革を目指す。なお、スタートアップとのコラボレーション強化に向けて2022年5月に、米国シリコンバレーに本拠地を置く世界最大のアクセラレーター(事業成長を促進する企業やプログラム)であるPlug and Play社の起用を決定した。2023年10月には、シンガポールのテクノロジー・スタートアップGreywing社との協働プロジェクトで開発したAI配乗計画作成プログラム(Crew Matrix Planning)を導入した。船員配乗計画作成プロセス自動化に向けて、Plug and Play社と協力しGreywing社を選定、構想から約9ヶ月でAI配乗計画作成プログラムの完成に至った。本プログラム導入により、船舶管理部門の業務負担を軽減し、海技者の持つ専門性をより経済的付加価値の高いプロジェクト等へのリソース再配分していく。
こうしたESG・SDGs経営への積極的な取り組みや財務状況改善への取り組みが評価され、2023年7月にはロンドン証券取引所のグループ会社であるFTSE Russellが構築したESG指数「FTSE Blossom Japan Index」及び「FTSE Blossom Japan Sector Relative Index」の構成銘柄に前年に続いて選定された。同年8月には「JPX日経中小型株指数」の構成銘柄に選定された。2024年4月には国際的な評価機関であるEcoVadisのサステナブル評価において、受審企業全体のうち上位17%に位置するスコアを獲得し、ブロンズ評価(上位35%以内)を取得した。また格付に関しても同月に、日本格付研究所(JCR)による格付が「BBB+(ポジティブ)」から「A-(安定的)」に格上げされ、格付投資情報センター(R&I)による格付が「BBB(ポジティブ)」から「BBB+(安定的)」に格上げされた。