3. 成長戦略と重点施策 次期中期経営計画では、開発とサービス・運営を組み合わせた不動産活用の多角化を進め、事業領域とエリアを拡大することで成長を加速させる。オフィス市場では、企業が集積する東京において中小型ビルの老朽化が進むなか、資源の無駄遣いを抑えた改修や建て替え需要が強いことから、事業領域を新築へと拡大させる。直近では、ZEB化に向けた取り組みとして、ワイヤレス給電技術の実用化製品「AirPlug」を同社管理物件に導入することを公表しており、今後も積極的に対応する方針である。ZEBとは、Net Zero Energy Building(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)の略称であり、快適な室内環境を実現しながら、省エネルギー化や再生可能エネルギーの利用により、建物で消費する年間の一次エネルギーの収支をゼロにすることを目指した建物を指す。ビルを購入する投資家とテナントに入居する企業の双方において、環境に配慮した物件であるかを重視する方は少なくない。こうした取り組みは、サステナビリティの観点のみならず、同社事業の中長期成長にとってもプラスに働くと弊社では見ている。また、不動産小口所有商品は教育・医療をテーマにしており、長期的なキャッシュフローが見込まれるため、潜在的成長性が高い市場である。東京23区内に加えて、大阪・名古屋等の主要都市及び周辺地域にエリアを拡大することで全国の顧客ニーズに対応していく。貸会議室運営においても、大阪・名古屋にエリアを拡大する予定である。貸会議室の既存顧客には全国規模の会社も多く、大阪・名古屋エリアについての問い合わせも受けていることから需要は高いと同社では考えている。レジデンシャル市場では、人口増加と高い成長率が続くニューヨークとベトナムや、転入超過が続く東京圏において、高品質の居住用不動産を提供していく。