1. 長期経営指針「ND For The Next 2030」 社会構造の変化やデジタル化を背景に技術革新のスピードが加速している。こうした経営環境の変化に対応し、既存事業の強化と成長領域を見極めた事業拡大を推進するため、同社は2021年に長期経営指針「ND For The Next 2030」を策定した。これまで培ってきた技術資産である「計装エンジニアリング」の総合力を背景に、建築物の省エネ化による環境負荷低減や脱炭素社会実現への貢献、デジタル技術を活用した高付加価値サービスの提供を通じた顧客満足度の向上、サステナビリティを巡る課題解決への貢献を通じた持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るとともに、人材確保・育成に向け人的資本投資を充実させることで、2031年3月期にROE10%以上、営業利益60億円、売上高450億円を目指す。そして「ND For The Next 2030」を、成長基盤を構築する「第1フェーズ(2021年~2023年度)」、成長を実現し事業品質の向上を進める「第2フェーズ(2024年~2027年度)」、さらなる飛躍と挑戦をする「第3フェーズ(2028年~2030年度)」の3つのフェーズに分けて、それぞれ中期経営計画を策定することで着実な成長につなげる考えだ。
一方、非財務目標としては、2030年度のありたい姿に向けて、サステナブルな企業経営を目指して、ESG経営を加速することになろう。E(環境)では、気候変動に対応する取り組みを加速、TCFD※1に基づいた情報開示及びパリ協定が求める水準と整合したSBT(Science Based Targets)※2目標の設定を目指す。そのため、2023年10月に脱炭素社会実現へ貢献することを目的に気候変動対応プロジェクトチームを設置し、グループの温室効果ガス(GHG)排出量(Scope1~3)の算定を開始、次期中期経営計画期間中にSBT目標を設定し、SBTの認定取得を目指す。S(社会)では、中長期戦略として、人的資本の充実と人材力の最大化を掲げ、多様な人材が活躍できる職場づくりを目指して社内環境を整備する計画である。そのため、技術研修の充実や、初任給・ベース年収など賃金の改定、人権方針の策定、認知度やモチベーション向上につながる男子プロバスケットボールチーム「千葉ジェッツ」とのオフィシャルパートナー契約の締結などを進めている。G(ガバナンス)では、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向け、コーポレートガバナンス・コードに準拠した実効性のあるガバナンス体制を目指す。そのため、英文開示・個別IRの充実やコーポレートコミュニケーション課の設置などによるIR体制の充実、より業績に連動した役員報酬への改定、資本政策、資本コスト経営の推進を図る。