*12:49JST サスメド Research Memo(9):パイプライン充実やブロックチェーン技術応用に向けて共同研究・開発を推進 ■成長戦略

1. 中長期成長の見通し
サスメド<4263>は研究開発段階にあるため数値的な目標となる経営指標は設定していないが、当面の成長戦略として、DTxプロダクト事業では長期的視点での収益最大化に向けた開発パイプライン件数拡充や臨床試験進捗、DTxプラットフォーム事業では収益の継続的かつ累積的な増加を実現するため、契約件数の拡大や新サービスの拡充などを重要な経営指標と位置付けている。こうした経営指標を高めるために、医療機関・学術研究機関・製薬企業などとの共同研究やアライアンスなども推進している。さらにDTxプロダクト事業の海外展開として、法令の有無、保険償還の仕組み、市場規模、競合の有無などの要素を複合的に判断し、進出国を選定中である。

共同研究・アライアンスの取り組み事例として、2022年3月に(株)コラボクリエイト(スズケンの連結子会社、ヘルスケアプラットフォームの企画・提案を行う目的で2022年3月に設立)に0.8%出資した。コラボクリエイトを通じて、DTx開発支援に関するシステム及び汎用臨床試験システム等を展開する。また同月には、九州大学と「心房細動における経皮的カテーテル心筋焼灼術のエキスパート治療を提案する人工知能モデル開発」に関する共同研究契約を締結した。同研究は、AMED令和3年度メディカルアーツ研究事業との連携による「循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策実用化研究事業」に採択された。

2022年5月にはNCNPと共同で、「多様なソースから収集するデータの蓄積と利活用のための個人情報の非特定化手法の開発とデータ加工技術の確立並びにデータの質担保に関する研究開発」を開始した。同研究はAMED令和4年度障害者対策総合研究開発事業「データ利活用を推進するための臨床データの加工手法と質の担保に関する研究開発」に採択された。同年6月には、公益財団法人がん研究会有明病院と「免疫チェックポイント阻害薬投与患者における治療を要する免疫有害事象の実態調査」に関する共同研究契約を締結した。同年9月には、滋賀大学と「信頼されるAIシステムを実現するための因果探索基盤技術の確立と応用」として、因果探索基盤技術に関する共同研究契約を締結した。同研究は国立研究開発法人科学技術振興機構(以下、JST)の2022年度戦略的創造研究推進事業(CREST)に採択された。同年10月には、NCNPと「全世代対応型遠隔メンタルヘルスケアシステム(KOKOROBO-J)によるメンタルヘルスプラットフォームの開発・社会実装」に関する取り組みを開始した。同取り組みはJSTの令和4年度「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」に採択された。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 サスメド Research Memo(9):パイプライン充実やブロックチェーン技術応用に向けて共同研究・開発を推進