(2) 2024年のCookie規制への対応 データプロダクトの「UNIVERSE」においては、WEBブラウザの3rd Party Cookieという技術を活用している。この技術に関しては、Google社が提供するChromeブラウザにおいて2024年末にサポートの停止が公表されている状況である。デジタルマーケティングの領域で事業を行う全ての企業が対応を迫られているなか、同社は業界のなかでもいち早く規制に対応することによって、先行者利益を獲得する。具体的には「Privacy Sandboxへの対応」「Cookieに代わる技術の導入」「新しいターゲティング技術」という3つの対策を行っている。「Privacy Sandbox」とはGoogle社が広告企業向けに従来のビジネスの継続を目的に提供を予定している代替技術であり、2024年夏のリリースに向けて対応準備を進めている。また、プライバシーの問題をクリアしながら従来のCookieと同等の動きをする新しい技術を2022年5月から段階的にリリースしてきた。加えて、Cookieを利用せずにユーザーが閲覧しているコンテンツの内容を分析してターゲティング配信を行う技術を2022年2月にリリースしている。直近では、2023年1月にLiveRamp社との連携によりCookieを代替するIDソリューションを同社の全プラットフォームに導入したほか、2023年5月にはThe Trade Desk, Inc.が開発するCookieを利用しないIDソリューションを導入した。ポストCookie時代に向けた代替技術の導入も順調に進んでいる状況だ。
また、非Cookieビジネスを垂直に立ち上げられる点も同社の特徴だ。同社はデータ保有企業向けプラットフォーム(UNIVERSE DATA PLATFORM)、広告主企業向けプラットフォーム(UNIVERSE Ads)、広告掲載メディア企業向けプラットフォーム(MicroAd COMPASS)の全てを自社で取り扱っており、Cookieに代わる技術を迅速に全てのプレイヤー向けサービスに反映ができる。