GameFiはユーザー・ゲーム会社の参入障壁が高く、ユーザーの離脱とトークン価値の毀損が負のスパイラルに陥りやすい構造となっている。既存のGameFiトークンは、1ゲームに1トークンの配布がスタンダードであるため、ブームが一過性だとユーザー離脱のリスクが高く、ユーザー離脱が進むとトークンそのもののマーケットが崩壊する可能性がある。このため同社は、GameFiが抱える問題点を補うプラットフォームとして「NCXC GameFiプラットフォーム」を構築し、ユーザーとゲーム開発者にとってサステナブルなサービスを提供することを目指している。ゲーム会社とのアライアンスにより、既に実績を上げている他社ゲームタイトルを中心に、簡単にPlay to Earnのゲームに転換することのできるプラットフォームとなる。ユーザーにとっては、多くのゲームができることで飽きがこず、高額なNFTの購入なしで開始できるようになる。一方、ゲーム会社にとっては、既存ゲームを簡単にGameFiにリブランディングできる。
(2) メタバース・デジタルコンテンツ事業 a) メタバース分野 メタバース分野では、ワイルドマンと既存事業との事業シナジーによりメタバース関連サービスの提供を強化する。暗号資産・ブロックチェーン事業とのシナジーによりNCXCを活用したGameFiを提供するほか、IoT関連事業とのシナジーによりトラッキング技術とハード開発力を活用した安価なトラッキングデバイスを開発し、メタバースのユーザーをサポートする(BtoC向け)。また、トラッキング技術と「AI-BOX」を活用し、複数同時トラッキング機器の開発とデジタルツイン分野への活用(BtoB向け)を推進する。国内のメタバース市場は黎明期であることから、メタバース参入企業にインフラやサービス・コンテンツを提供することで市場の成長を後押しする。なお、市場の成長に合わせて、将来的には利益率の高い自社でのメタバースサービスの提供を目指す。
b) デジタルコンテンツ分野 デジタルコンテンツ市場はコロナ禍でも成長が著しく、2020年から2021年にかけての市場規模の成長率は24.2%と、デジタル系分野全体の14.9%と比較しても大きく伸長している。実業之日本デジタルは初年度から高い収益性を確保しており、今後の成長ポテンシャルも高い。實業之日本社の新旧コンテンツの電子書籍化に加え、独自ルートでの新規開拓に注力する方針だ。