■フェイスネットワーク<3489>の今後の見通し

(4) その他
商品展開拡充としては、不動産小口化商品「GrandFunding」シリーズを強化する。この背景には、2015年に相続税の基礎控除額が縮小され、相続税の課税対象者が増加したことに伴い、資産承継に対する不動産の活用ニーズが高まっていることがある。「GrandFunding」シリーズは「任意組合型」であり、現物不動産と同様の扱いとなることから、資産承継への有効活用が可能となる。このため、今後も需要拡大が見込めると弊社では見ている。なお、2022年9月に3号物件「GrandFunding代田橋」を組成、同年10月に4号物件「GrandFunding渋谷」の募集を開始したほか、2023年1月には5号物件「GrandFunding渋谷2」の募集開始を予定している。このほか、「GrandFunding代田橋」は2022年11月に完売、「GrandFunding渋谷」は同年11月からセミナーを開催し、年末に向けて販売を進める計画だ。このように販売状況が好調であることから、6号~11号物件についても企画を進めている。同社では、今後も需要の拡大が見込まれる相続市場を見据え、60代以降で安定的に資産を運用しながら承継させたい顧客をターゲットに、「GrandFunding」シリーズの販売を強化していく方針である。足元では、税理士やファイナンシャルプランナーからの紹介案件による首都圏の顧客が中心であるが、将来的には顧客エリアを日本全国へと拡大していく。

2022年10月には、デザイン経営コンサルティング・宅地建物取引業を運営するandグラフ(株)を買収・子会社化し、不動産を活用した資産形成をサポートするフェイスFPサロンへ商号変更した(2022年10月3日よりサービス開始)。資産運用コンサルティング・相続コンサルティング・ファイナンシャルプランニング・不動産業を展開し、相続市場における資産承継対策ニーズへの対応や個人顧客との新たなタッチポイントの開拓を推進する。フェイスFPサロンは、在籍役職員全員が金融機関出身者であり、財務コンサルティングの知識や経験が豊富であることから、シナジー効果により、既存顧客層への販売強化のほか、新規顧客層の獲得や販路拡大につながると弊社では見ている。

また、同社は様々な企業と協業展開し、入居者の豊かな生活に貢献するサービスを創出している。2022年4月には、(株)グリーンハウスとユニット型サロンの無人経営に関する実証実験を実施した。また、同年6月にキッチン用品サイトを運営する(株)ワイ・ヨット、ヘルスケアグッズサイトを運営する(株)ドリーム、観葉植物のオンラインストアを運営する(株)Domuzとそれぞれ販売提携契約を締結した。直近では、同年8月に電気自動車の充電インフラ「Terra Charge」を提供するTerra Motors(株)と業務提携契約を締結している。

このほかに、地域活性化への貢献と若者の夢の実現を応援する取り組みとして、「世田谷ドリームプロジェクト まちからアートvol.2 仮囲いデザインのアイディアコンテスト」を開催した。同社物件の建設現場の仮囲いにアート作品を掲示することで、次世代を切り開くアーティストの応援とアートによる工事現場の彩り、街の賑わいの創出に貢献する。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 欠田耀介)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 フェイスNW Research Memo(7):ワンストップサービス機能を強化し、過去最高益を更新する見通し(2)