■SIGグループ<4386>の成長戦略

3. 第1フェーズは2024年3月期の売上高60億円、営業利益6億円目標
長期ビジョンの達成に向けたロードマップとしては、2024年3月期までを第1フェーズ、2027年3月期までを第2フェーズ、そして2030年3月期までを第3フェーズと位置付けている。

第1フェーズの目標は2024年3月期の売上高60億円、営業利益6億円、営業利益率10.0%としている。テーマに「崖越えはSIG」(いわゆる「2025年の崖」問題に由来し、IT環境のシステム変換の高需要と人材の不足を同社で対応しようという試み)を掲げ、得意領域の実績と新規事業の注力分野を融合させ、DXソリューションを提案できる体制の構築と、顧客に訴求できるソリューションの組成を推進する。第2フェーズの目標は2027年3月期の売上高170億円(既存事業60億円、新規事業110億円)としている。ITトータルソリューションカンパニーとして、システム構築支援企業から事業成長支援企業への成長を推進する。第3フェーズの目標は2030年3月期の売上高300億円、従業員2,000名体制としている。国内で外部CIOとして企業成長に貢献するとともに、海外展開も目指す方針だ。

「クラウド・セキュリティ」事業強化の進捗状況としては、CSソリューションセンターにおける月次勉強会でのノウハウ・知見の共有による組織知の強化、社会インフラ事業会社(大手電力会社)へのサービス提供・プロジェクト進行によるノウハウの蓄積などを推進している。今後は、独自のクラウド・セキュリティサービス提供に賛同する企業とのアライアンスも推進する。

また、地方拠点発のDX課題解決ソリューションの事例として、福井事業所が地元商業施設(東証プライム市場上場のホームセンター運営企業)向けに営業支援システム「ピッスル」を開発・提供した。ネット注文・決済や売上・在庫管理など地方小売業が必要とする機能に絞り込み、顧客の販売・管理負担を軽減した。今後は、このシステムを基盤として、各地方の商業施設のニーズに合わせた横展開を推進する方針だ。


M&Aを積極推進して成長ポテンシャル大きい
4. M&Aを積極推進して成長ポテンシャル大きい
同社は、第1フェーズの目標は既存事業のオーガニック成長で達成可能、第2フェーズと第3フェーズの目標達成に向けてはM&A戦略を積極推進するとしている。2022年4月にY.C.O.を完全子会社化するなどM&Aの動きも活発化している。また2021年12月には持分法適用関連会社であるアクロホールディングスのグループ会社グローバルテクノロジー宮崎(株)と業務提携した。グループ全体の海外高度人材(ITエンジニア)活用拠点をグローバルテクノロジー宮崎に集約し、グループ全体のオフショア開発拠点として活用する。市場環境は良好であり、意欲的な長期ビジョン達成に向けた戦略推進によって、成長ポテンシャルは大きいと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 SIGG Research Memo(9):第1フェーズは2024年3月期の売上高60億円、営業利益6億円目標