売上高に関しては、リアル行動ビッグデータ収集体制の拡充、解析精度の向上、サービス開発の推進を実践するなかで新規顧客の開拓と既存顧客からの売上拡大が順調に推移した。実際、2022年6月期時点のNRRは160.1%まで高まった。また、コロナ禍により人流データに対する注目度が上がったことも同社業績にプラスに寄与した。結果として、セグメント別売上高は「分析・可視化サービス」が前期比164.2%増の503百万円、「行動変容サービス」が同48.5%増の576百万円、「One to Oneサービス」が同79.3%増の366百万円となった。利益面では、通期での営業黒字を達成した。売上が伸長したほか、コスト効率を高めたことが要因だ。これは、同社のビジネスモデルが関係している。同社サービスの1つである「分析・可視化サービス」はクラウド方式で提供するSaaSであり、契約期間中は月額料金が収益として計上する。SaaSビジネスは一般的に売上の伸びに比べてコストの伸びが低く、利益率が高まっていくという特徴を持っていることから、同社の収益構造が利益面に関してプラスに寄与した格好だ。また、粗利率の高い「分析・可視化サービス」と「行動変容サービス」のプッシュ配信が伸びたことも利益の黒字化にプラスに働いた。さらに、自動化などの業務効率化を実施し、コストの伸びを適切に抑制した。