■成長戦略

2021年6月にコンフィデンス<7374>は、中期及び長期の成長戦略を策定した。中期成長戦略として「顧客深耕及び事業連携の好循環(エコシステム)確立による事業拡大」を掲げ、(1) 対象顧客の網羅・深耕、(2) 提供サービスの多様化、(3) エコシステムの確立、を推進することで、3~5年後に売上高100億円を目指している。また、長期成長戦略として「対象市場の拡大とマッチングソリューションによるデジタルエンターテイメント領域への展開」を掲げ、(1) 対象市場の拡大、(2) 受託事業の拡大による知見の蓄積、(3) マッチング範囲の拡大・高度化、を推進することで、デジタルエンターテイメント領域への展開を実現する考えだ。

1. 中期成長戦略
(1) 対象顧客の網羅・深耕
同社は、一層の顧客深耕によりクリエイターの新たな就業機会を獲得し、顧客当たり派遣人数の最大化を目指す。具体的には、開発スケジュールをヒアリングすることで将来のニーズを把握したり、同一顧客の他部門を紹介してもらうことにより新たな人材ニーズの発掘を図っていく。これらを推進することで、ゲーム業界における派遣事業者として圧倒的No.1を目指す。顧客深耕による事業拡大は確実かつ効率的な手法であることから、顧客当たり派遣人数の最大化は十分期待できると弊社では見ている。

(2) 提供サービスの多様化
従来は人材派遣事業、人材紹介事業、受託事業がそれぞれ独自で部署開拓を行っていたため、顧客ニーズを識別できず、潜在的な機会ロスが発生していた。このため、派遣事業で構築したネットワークを生かし、人材紹介・受託業務のクロスセルによりさらなる収益拡大を目指す。この結果、人材紹介事業では顧客接点が増加し魅力的な求人獲得が可能となり、受託事業では開発スケジュールを認識することで、ニーズの正確な把握や適切なタイミングでのサービス提供が可能となる。顧客との接点が増加し、サービス提供が多様化することで、顧客当たりの収益の増大を目指す。

(3) エコシステムの確立
人材派遣・人材紹介・受託メディアの各事業が相互に連携し好循環を確立・拡大することで、経営効率を高め、ゲーム業界へのサービス提供機会増大を目指す。エコシステムの確立としては、メディア事業の運営ノウハウを利用して人材派遣事業や人材紹介事業の集客増大を図るほか、未就業のクリエイターの受託案件での就業、受託案件のOJTによるクリエイターのスキルアップ、高スキルのクリエイターの就業による請求単価上昇などを推進していく。また、エコシステムの拡大としては、人材派遣事業で構築したネットワークにより、受託案件の増加や人材紹介実績の増加を見込むほか、派遣機会の増加、メディア事業の集客ノウハウを活用したゲーム会社のプロモーション支援などを推進していく。このように各事業が循環性を持つことで経営効率アップを目指す。既存のネットワークを活用することは新規開拓と比較しコスト削減が見込めることから、利益率向上が期待できると弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 コンフィデンス Research Memo(6):顧客深耕とエコシステムの確立により3~5年後に売上高100億円を目指す