■成長戦略

ソフィアホールディングス<6942>は、経営主体が変更した2019年3月期から2021年3月期までを経営基盤再構築のステージと位置付け、M&A活用による調剤薬局及びその周辺事業の拡大に注力するとともに、事業ポートフォリオの見直しを進めるなど、収益力向上に取り組んできた。その結果、調剤薬局及びその周辺事業立ち上げの影響により、2019年3月期は全社ベースで営業損失を計上したものの、2020年3月期及び2021年3月期は調剤薬局及びその周辺事業の規模拡大及び店舗オペレーション改善が寄与し、全社ベースで大幅増収増益を達成した。

なお、調剤薬局及びその周辺事業が一定規模になったことから、収益性及び財務面の改善を優先することとしている。また、M&A戦略を一旦抑制するとしている。2022年3月期からは新たな成長に向けた経営基盤構築のステージと位置付け、成長戦略として、グループシナジーを生かした「ICTと医療周辺事業の融合」及び「医療特化型ソフィア5Gソリューション」を推進する方針だ。

医療周辺事業においては、過疎化が進む地域や十分な医療体制が整っていない地域では、オンライン在宅医療やオンライン服薬などの普及が求められておりまた、医療センシング技術や医療IoT技術が急速に発達するなか、これらをインフラ面で支える高速大容量・低遅延・多数同時接続かつセキュリティが担保された通信技術が求められると予想されている。こうした市場動向を背景として同社は、長年培ってきたICTを活用した医療特化型ローカル5Gの設計及び整備に着手している。医療・介護・調剤のオンライン化に必要な安心・安全・高品質のICTを「医療特化型ソフィア5Gソリューション」として提供する戦略だ。同社飯塚秀毅代表取締役社長は「診療・服薬における利便性の高いサービスを提供できる通信技術、通信基盤、そして医療周辺事業を兼ね備えた唯一の存在である」と自信を示している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 ソフィアHD Research Memo(7):「医療特化型ソフィア5Gソリューション」の提供を目指す