(1) 既存事業を太く強くする施策 a) バリューチェーンの強化 コア事業である収益不動産販売事業では、エー・ディー・ワークスが物件選定/仕入れ/バリューアップ/販売を、ADパートナーズがPMをはじめとする顧客対応を、エー・ディー・デザインビルドがバリューアップ工事/修繕工事をそれぞれ提供しており、各事業会社が専門性とコスト効率を追求すると同時に、事業会社間の相互連携を向上させることで、バリューチェーンをさらに強化し、ワンストップソリューションプロバイダーとして競争力を高めていく。
c) REIT事業による事業基盤の増強 REIT事業への参画によって、収益不動産の仕入れから販売に至る事業基盤を増強し、金融機関からの資金調達力を含めた収益不動産販売事業の規模拡大に取り組んでいる。2022年中に私募REITを組成し、組成に伴うフィー収入や、REIT運用に伴うPM業並びにバリューアップ工事など、同社グループのノウハウを生かしながら、ノンアセット事業としての収益を確保していく考えだ。
(2)“脱”不動産事業を具現化する施策 a) 持株会社体制の活用 同社は今後の成長に向けて、迅速な経営判断による積極的なM&A、資本提携、業務提携等を推進していくこと、リスクを取った“攻め”と、手堅く堅実な“守り”を同時に追求していくこと、時代を先取りした人事制度・報酬制度を導入していくこと等を目的に、2020年4月に持株会社体制に移行した。
b) CVC事業の活用 2020年12月にCVC事業への進出を決定し、子会社の(株)エンジェル・トーチにて取り組みを進めている。DXによって同社グループの事業を相乗的に成長発展させる可能性を獲得すべく、業種業界を問わず、独自の技術・サービスを持つ国内外のスタートアップ企業等に対して投資を行っていく。また、既存事業の強化だけでなく、“脱”不動産事業の具現化のための成長機会獲得も企図しており、5年後に全体の収益の約3割を“脱”不動産事業で占めるよう、積極的に展開していく予定だ。