(1) 事業セグメント別の事業内容 a) ソリューション事業 ソリューション事業では、独立系のIT会社として、顧客企業のITシステムのコンサルティング・設計・開発・運用保守を中心に、各種クラウドサービスやERPパッケージの利用・導入に係る技術支援、データベース等のインフラ構築などを行っている。顧客は業種・業務を問わず幅広く、かつ開発の一連の工程をワンストップで対応できることが強みとなっている。
b) アウトソーシング事業 アウトソーシング事業では、子会社のイーネットソリューションズが運営している国内3ヶ所のデータセンター(東京、金沢)における運営サービスが売上の7割程度を占める。企業のプライベートクラウドのインフラ用あるいはBCP対策・データバックアップ管理用として利用されている。また、データセンターの顧客獲得のためのフック役となる付加価値サービスとして、2006年から地震情報と連動して社員の安否確認メッセージを自動で配信する緊急通報・安否確認サービス「Safetylink24」(現在の契約数は約800社)の提供を開始したほか、2010年には電子ワークフローシステム「ActionPassport」(同約300社)、2017年には日本アイ・ビー・エム(株)の「IBM Watson Explorer」(AIを活用した検索・分析プラットフォーム)を月額料金制で手軽に利用できるサービスの提供を開始している。これらの付加価値サービスは月額課金によるストック型ビジネスモデルとなっており、契約件数の積み上げによって収益が増加していくことになる。なお、2021年6月時点で、データセンターの利用顧客数は約1,000社となっている。
c) プロダクト事業 プロダクト事業では、同社グループによるプロダクト(ソフトウェア)の開発及び販売、サービス提供を行っており、顧客ニーズに応じたカスタマイズ開発にも対応している。販売については直販に加えて販売代理店も活用している。現在の主力製品は建築業向けの「建て役者」と卸・小売業界向けを中心としたモバイル受発注システム「MOS」となり、それぞれ売上高の3割程度を占めている。不定期にカスタム開発の大型案件を受注することもあるが、クラウド(SaaS型)サービスによる月額課金が売上の大半を占めており、契約件数の積み上げによって収益が増加するストック型ビジネスモデルとなる。