2020年には、ギグワーカー(働き手)とクライアント企業(発注者)の間で、仕事の受発注を直接成立可能とするプラットフォーム「GiG Works Basic」の提供を開始した。クライアント企業は、仕事の募集から、契約の締結、委託報酬料の支払いまでを一括して「GiG Works Basic」サイト内で行うことができる。また、利用料金に関しては、「仕事成立の際に支払報酬額の10%」となっており業界標準よりも廉価に利用できる。ギグワーカーは「GiG Works Basic」サイトを通じて、経歴、保持するスキルの一覧、これまでの受託実績内容の履歴、企業からの評価を表示することで、自己アピールができ、利用料金は無料である。これまでは、同社が働き手と発注者の間に入り、企画・調整業務などを行ってきたが、新プラットフォーム「GiG Works Basic」では、サイト内で働き手と発注者が直接コンタクトし、受発注を行えるようリニューアルした。同様のサイトサービスは、クラウドワークス、ランサーズなども展開しており、利用者数を増やしている。2021年10月期は、本格的に広告宣伝やシステム改善に積極投資を行う予定である。
同社のシェアリングエコノミー事業は連結子会社のアセットデザインが展開しているシェアオフィスサービスが主体であり、「THE HUB」のブランドを中心に東京・神奈川・愛知・大阪で65拠点を構える。半数以上の店舗は直営店、残りは運営受託店である。2020年10月期には、藤田観光<9722>と業務提携し、新宿ワシントンホテル、東京ベイ有明ワシントンホテル内にシェアワークプレイス「THE HUB」を出店したのに加え、北大阪エリアで最大規模となるシェアオフィス&コワーキングスペース「THE BASE 北大阪」を出店。2021年10月期はサテライトオフィスの需要を獲得すべく、新サービス「スマートオフィス」を開始し、小規模店舗を前期末から6店増やし、提携店舗を約660店に伸ばし日本最大級のスマートオフィス網を展開。2021年10月期第2四半期時点のKPIの推移は順調である。登録会員数は5,075社(2021年4月末)とコロナ禍という逆風にも関わらず増え続けている。ドロップイン会員(一時利用のための会員登録者)も1,181社(同)と順調に増えており、今後の定期利用拡大の先行指標となる。シェアオフィスの稼働率も期中を通して86.7%と高い稼働率を維持した。アフターコロナ時代には、働き方の多様化が定着し、サテライトオフィス需要が拡大することが想定されており、大企業の従業員の利用なども追加されることが期待されている。